ブラジルの歴史において州都としては三番目に古い町が、パライーバ州の州都ジョアン・ペッソアである。サルヴァドール、リオデジャネイロに次いで、1585 年に創設されたので、旧市街には歴史を感じさせる史跡が、いくつもある。なかでも街の中心にあるサンフランシスコ教会は、1770年に創設されたバロック・ロココ式の建築で、その美しさと荘厳さは、フランスの美術史家ジェルマン・バザンによって、フランシスコ派の建造物としてはブラジルでも最も素晴らしい代表作品とみなされている。天井の装飾絵画はブラジル・バロック様式を象徴する重要文化財となっている。
このパライーバ州がもう一つ誇れるのが、南北アメリカ大陸で最東端に位置している、という地理的ポジションだ。一番東に位置するカボブランコ岬灯台は是非とも訪ねてほしい。なにしろ、アメリカ大陸で一番最初に日が昇る地点なのだから。
また、カボブランコには、「科学・文化・芸術センター」が2008 年に竣工したが、これは晩年のオスカー・ニーマイヤーの代表作であり、パライーバ州民の自慢の種になっている。
ジョアン・ペッソアを代表する海岸といえばタンバウ・ビーチであるが、ここから2 キロほどのところに位置するピカンジーニョは、岩礁に囲まれた天然プールで、干潮時には熱帯魚と戯れながら水遊びが出来る観光スポットになっている。
豊饒にして多様なパライーバ料理についてもちょっとだけ一瞥しておこう。内陸部料理の代表は、一日干しビーフとフライド・マカシェイラ(無毒マニオク)と地元産フェイジョン(インゲン豆)のコンビネーションだし、海産物料理ではペイシャーダ(ブイヤベース)か、はてまた、サヨリのフライか、いや、ロブスターも有名だ。地ビールならぬ地カシャサ(サトウキビ蒸留酒)を舐めながら、手作りチーズをつまめば、至福の時がやってくる。
ジョアン・ペッソアは、住む人間にとっても観光客にとっても、魅力の尽きない町であり、日本の皆さんにも是非来ていただきたいと思っている。

イヴァン・マルケス・レアル
(NIAGRO 社代表取締役)