会報『ブラジル特報』 2011年11月号掲載
在日ブラジル商業会議所会員企業の紹介(第10回)

                                岡 誠治 ((株)アルファインテル南米交流 取締役販売部長)



アルファインテル南米交流は、1979年5月にブラジルサンパウロにあるブラスヴィア旅行社の東京支社として発足、1986年9月にブラスヴィア旅行社との業務提携を解消し、ブラジル側3社の出資者を得、 ALFAINTER TURISMO. LtdAをサンパウロに開設しました。
 以来、ブラジルを中心とした南米専門旅行社として、両国交流の架け橋となるべく日本ブラジル両方から相互にお客様を送り出し、訪問国にてお世話しながら今日に至っております。
 現在ブラジル側の幹部は40~50代、日本側も常勤役員に40代前半のアルゼンチン二世が入っており、若さ溢れる陣容を誇っています。彼らの考え方は、それぞれ二世、三世のドライな考え方も持っていますが、根底には日本人的なお客様第一の考えをしっかり持っており、大切な折りにはきちんと日本的な対応が日本語で出来るのが強みです。

 経営理念として、私達は旅行業務を通じ、お客様、協力会社、社員そして会社の幸福を追求し、社会に貢献します。
 行動指針は、お客様に「親切」「丁寧」に対応し、「安心」「安全」そして「感動」ある旅行を自信を持ってご案内する、をモットーに、2011年の合言葉「アルファだから出来る仕事をしよう。未来を自分達の手で作ってゆける人材になろう。常に議論し、徹底し、変えて行こう。そして明るく。人生二度ない。」を日本とブラジル両事務所にて毎週月曜日の朝礼で唱和し、徹底するようにしています。そのお陰もあってか、旅行からお帰りになったお客様から、お礼を戴くことがよくあり、社員一同旅行業という感動産業の業務に対する充実感に浸りながら、次の仕事のエネルギー充填とすべく、有難く頂戴しています。旅行業者冥利に尽きる瞬間です。

東京・新橋の本社内光景


 また、東日本大震災の後、在日日系人がパニックに陥り帰国ラッシュが起きた時、応対要員が絶対的に不足し、やむにやまれず退職したばかりの元社員に一時的な応援をお願いしたところ、3名が快く引き受けてくれました。常日頃会社一丸となって働いてきたことで、辞めた社員にそのような協力の気持ちを喚起したのでしょうか。昼食も30分で済ませ、夜も22時、23時まで残業してくれました。
 弊社の特徴は、日本に出稼ぎに来ている南米日系人の方達への一時帰国用の航空券販売数が業界一というのもありますが、宗教団体、芸能団体、県人会行事に参加する母県からの訪問団、移住留守家族の方達への南米訪問旅行を弊社独自で手配することも多く、しかもブラジルの永住権を持つ役員やベテランの社員が添乗員としてご案内することが多いので、現地事情に精通した添乗員ならではのサービスを提供出来ることです。

 現在、2014年のサッカー・ワールドカップ・ブラジル大会、2016年のリオデジャネイロ・オリンピック時がブラジルブームの頂点となるだろうと推定し、それまでとその後を含めた一大ブラジルブームを日本に巻き起こすべく、自社企画、大手エージェントとの共同企画、ブラジルに関係先のある団体との共同企画を進めつつあり、ブラジルを中心とした南米専門旅行社ならではのアイデアをちりばめ、一人でも多くのブラキチを生み出すべく、奮闘努力を_しています。

 VARIG、JALの日本とブラジル直行便は無くなりましたが、幸い様々な航空会社が日本と南米間にフライトを飛ばすようになり、途中乗り継ぎ空港にて降機することにより、これまで出来なかった様々なサイドトリップが可能となって、バラエティに富んだ南米旅行、ブラジル旅行が可能となりました。これに加えて弊社では今、その観光地へ旅行に出かけようとすればそれなりの旅費がかかりますが、ブラジル・南米への旅行の途中に立ち寄れば、時差調整にもなり、航空運賃はほぼ無料で、観光費用だけの追加費用でもうひとつの観光が可能です。ドイツのメルヘン街道一日観光、ヨーロッパ各都市一日観光、中東ドバイの超近代的な都市と砂漠観光、カナダ経由でナイアガラの滝観光(イグアスの滝観光と合わせれば世界3大瀑布のうち2つを一度に観光出来る!)、メキシコ観光(ペルーと絡めればマヤ文明とアンデス文明を一度に観光出来る!)、ニューヨ—ク観光、ディズニーのテーマパーク観光など様々な観光を超低価格で追加出来ますので、最近はブラジルへ一時帰国される日系人の方やブラジル旅行に出かける日本人のお客様の中にも、このサイドトリップを利用して旅行を二倍楽しむ方が増えてきています。

日本でも注目の白砂漠レンソイス(マラニョン州) レンソイス(マラニョン州)



 年間取り扱い量の多さから、複数の航空会社からビジネスクラスの超格安料金を提供戴いておりますが、疲れ方が格段に違うので、往復の飛行時間の長さがネックで南米行きを躊躇しておられるお客様には大変好評を戴いております。是非お試し下さい。最近ブラジルに行ってみたいと思われる方の層が多岐にわたるようになってきており、ブラジル専門旅行社としては大変嬉しく、また頼もしく感じている次第です。携帯音楽プレーヤーを手放せない音楽愛好家の方達を中心に、サンバ、ボサノバだけではなく、リバイバルのショーロ、北東部が発祥のフォ—ロ、フレヴォ、マラカトゥ、アシェ、パリンチンスが発祥のボーイブンバなどの愛好家が現れ、自分達でもグループを作って演奏や踊りを楽しむ人が増え、これらの人達を中心に本場を訪れて本物に触れ、現地のマエストロに技を教えてもらい、帰りには日本ではなかなか手に入らないCDや衣装を買うための旅行をする方が出て来ています。

 ちょっとしたブームになっているカポエイラを習う人達にも同じような動きがあり、ブラジルでの大会に参加したり、本場で教えてもらったりするようになって来ています。現在年に5~6本このようなグループの旅行を取り扱わせて戴いていますが、今後ますます増えてくると思われます。
 これらの方達の行き先は、勿論イグアスにも行かれますが、リオデジャネイロを中心としたブラジル音楽のメッカといえるミナスジェラエス、バイア、ペルナンブーコ、アマゾナスなどの諸州がメインとなり、しかも場合によってはその奥地まで出かけたりと、これまでのブラジル旅行の定番とはかなり異なったコース設定となり、私共旅行会社としてはやりがいのある旅行手配となっています。

アクロバティックな動きが魅力のカポエイラ サルバドールの ペロウリーニョ広場


 また、brICSの一角を占める経済力を持ち、世界一の採掘技術で深海油田を我が物とし、石油メジャ—の一角を占めるようになったブラジルに注目する投資信託などが急増した結果、ブラジルの経済状況を視察したい団体・個人も増えてきており、資産家を中心にブラジル経済視察の必要性が増してきています。


 このように、単に観光面で注目を浴びるだけではなく、文化・経済面でも注目を浴びるのは私共とすれば大変喜ばしく、積極的に関わって行きたいと思います。これらの動きとは別に、ハネムーン客を中心に、アマゾンやパンタナルあるいはビーチリゾートでのんびりと過ごす旅行客が出てきており、新しい切り口のブラジル・南米旅行の出現と期待している次第です。

 これに加えて弊社では今、ブラキチの皆さんに自分が愛して止まないブラジル・南米をお孫さんにも体験させてあげて喜びを共有できるツアー「おじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんで行く南米メモリアルツアー」を企画中です。あの野趣溢れ、躍動感溢れるブラジルを実体験することで、日本では味わえない大自然、力強さ、人懐っこい国民性をお孫さんにも実感して戴き、日本だけが世界ではないことを判っていただくのも大切ではないかと思い、企画しました。

 旅行業は感動産業ともいわれ、お客様に感動して戴くことで商品価値が出る産業です。自分達が長年南米、ブラジルに関わってきたが故のこだわりから出てくる様々な旅行企画を、是非読者の皆様方にも体験して戴きたいと思っております。