講師:パウロ・ヨコタ氏(元サンパウロ大学教授、元中銀理事)
演題:ブラジルにおける日本企業の最近の動静

 

デルフィン・ネット元教授(元大蔵大臣、元企画大臣)の愛弟子経済学者として政府機関(中銀理事やINCRA=農地改革院総裁ほか)でも活躍されたパウロ・ヨコタ氏(1938年生まれの日系二世)は、現在コンサルタント。南米・アジア間の紐帯強化を構想するAsia comentada誌主筆でもある行動派エコノミストの講演は話題が多岐に亘った。

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8月の安倍首相訪伯の際発表された共同声明において明確となった、海洋資源開発や医療保健分野での共同研究などが好例だが、ブラジルと日本が協調することで大きな成果が期待できる。日本の支援があって開発が進んだセラード穀倉地帯は、その経済的成果は穀物メジャーが独り占め気味だったが、最近は日本の商社の活躍も目立つようになった。

所得分配の公正化、新中産層の拡大により市場規模が急伸している。この局面にうまく対応出来ている一例が、即席麺だが、自動車の例ではエタノール対応技術はドイツであり、日本メーカーはブラジル的現実への対応技術開発は遅れ気味だ。一方、表には見えないが、武田薬品、大塚製薬、旭硝子の実質的な躍進に注目している。

ブラジルに進出する日本企業の“共通欠陥”として、現地事情に精通したコンサルタント活用術がゼロ、政府プロジェクトへの“参入”不足、などを指摘したい。また、経済事情ばかりフォローするのではなく、最新政治情勢の継続的調査フォローは企業にも不可欠だ。

問題が山積するブラジルは、ビジネスチャンスも山積しており、今こそチャンスの時期であると強調したい。

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