演 題: ブラジルの環境ライセンスを巡る諸問題
講 師: 山口晃義 前在外公館専門調査員(在サンパウロ日本国総領事館)

世銀が189ヶ国を対象に行った「ビジネス環境調査」によれば、インフラ整備状況については、ブラジルは114位と、全く“後発国”であることが確認されたが、このインフラ整備の遅れが、ブラジル産業の競争力低下を招いていることは明らかだ。その“阻害要因”の一つが環境ライセンスである。

山口晃義 前在外公館専門調査員(在サンパウロ日本国総領事館)
山口晃義
前在外公館専門調査員

経済発展と環境保全とを両立させる、「持続可能な開発」を具現化するという大目的のため、事業が環境面に与える影響につき、防止・軽減計画の策定を事業主に促し、環境に配慮した事業に対して認可を与える、というのが環境ライセンスだ。

ブラジルの場合、インフラ整備事業ばかりか製造業・農業など、ほとんですべての事業が、環境ライセンスの対象事業となっていること、と、環境影響評価の検討項目のなかには社会経済面のもの(雇用、保険、従業員子弟の教育、道路舗装まで)も含まれていること、が特徴であり、これが環境ライセンス取得までの時間を長期化している。(例えば、水力発電関連では、最低3年から4年かかっている。)また管轄機関が、連邦レベル(IBAMA環境再生可能天然資源院)、州レベル(州環境局ないし州立環境公社)、市レベル(各市の環境局)と三段階になっており、連邦法では、環境ライセンスは一機関のみにより交付される、となっているが、実際は、二重管轄も発生している。さらに、司法(検察庁)の“介入”も遅延原因となっている。

講演会後の質疑応答含め、1時間半に及ぶ、“集中講義”となった。

20150402_03 20150402_04

20150402_02

日 時2015年4月2日(木)
15:00-16:30
会 場米州開発銀行アジア事務所会議室(内幸町富国生命ビル16階)
アクセスマップ
都営地下鉄三田線「内幸町」駅 A6出口・・直結
JR山手線・京浜東北線・東海道本線「新橋」駅 日比谷口・・徒歩6分
東京メトロ千代田線・日比谷線「霞ヶ関」駅 C4出口・・徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線「霞ヶ関」駅 B2出口・・徒歩5分
講 師山口晃義 前在外公館専門調査員(在サンパウロ日本国総領事館)
演 題ブラジルの環境ライセンスを巡る諸問題
会 費会員 2,000円、非会員 3,000円