演 題:オリンピックを控えたリオデジャネイロ
講演者:山元毅 在リオデジャネイロ日本国総領事館総領事

8月から始まるオリンピックだが、サッカー予選についてはブラジリア、サンパウロ、ベロオリゾンチ、サルヴァドール、マナウスでも行われるが、それ以外はすべてリオ市である。そのリオ会場は、大きく分けて、①マラカナン・エリア、②コパカバーナ・エリア、③バッハ・エリア、④デオドーロ・エリア、の4エリアとなっている。

主要施設を新設する③エリアと④エリアの準備・建設状況をまずみてみたい。カリオカ・アリーナ1は100%、カリオカ・アリーナ2は97%、カリオカ・アリーナ3は98%、選手村は97%、アクアティック・スタジアム(水泳)は97%、一番遅れているのが自転車競技場ヴェロドロームで80%となっているが、建設業者を交替して一旦休止した工事を再開したので、間に合うとみている。バッハ地区の新築ホテルは90%、プレスセンターは93%、テニス・センターは90%だ、以上は常設施設。仮設施設のIBC(国際放送センター)は100%、

同じく仮設のフューチャー・アリーナ(ハンドボール場)も100%だ。以上が③バッハ・エリア。

④デオドーロ・エリアはもともと軍専用地区で全ての新設施設は常設だが、ホワイトウォーター・スタジアムは100%、ホッケー・センターも100%、マラペン・ゴルフ場も100%となっており、ユース・アリーナが80%となっているが、観客席三面を常設・固定から、一面のみ固定、残り二面を仮設に変更したので、実質的には100%完成、と解釈できる。

以上の如く、競技施設は、ほぼ完成しているので問題ないが、問題なのが、公共交通網だ。地下鉄1番線(Cinelandia―General Osorio)の延長線にあたる地下鉄4番線(Ipanema―Barra間、約16km)の工事が遅れており、最大の難工事といわれるトンネル工事(岩盤くり貫き工事)がようやく完了した段階だ。工事担当の州政府は、オリンピック開催までに開通できる、といっているが。

イベントとかオリンピックを盛り上げる経費を切り詰め、堅実なやり方で進めているリオ大会における注目点が三つある。1)レガシーの重視(国際社会へのアピールよりも「リオ市民のためのオリンピック」というスローガン)、2)「ホワイトエレファント(無駄なお土産)を残さない」施設整備方針(仮設施設の一部は、解体して小学校に生まれ変わる)、

3)民間資本の活用(約70億レアルの関連施設建設の約60%が民間資本。官民パートナーシップ事業として港湾地区の再開発。)、である。

市、州、連邦の責任棲み分けは;

市=交通機関(中心部のライトレールなど)、環境、都市再生、社会的発展

州=地下鉄の拡張、鉄道駅改築、グアナバラ湾&バッハ地区の湖の汚染除去

連邦=ドーピング取締研究所の設置、トーレーニングネットワーク・センター設立など

となっている。

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(政治情勢については省略)

経済情勢について。ブラジル全体では、マクロ数値は悪化の一途(GDP成長率2015年▲3.8%、IMF見込みでは2016年▲3.5%、2017年0.0%、直近の年間インフレ率10.67%、失業率8.53%、格付け会社による「投資不適格」格下げ、財政赤字は5年連続拡大、総債務残高は対GDP比66.2%へ、ペトロブラス汚職の結果、投資額激減、2014年2068億ドルから2015年984億ドルへ)であり、リオ州経済については、財政赤字の悪化(2015年▲30億レアル、2016年見通し▲100億レアル)、これは石油価格下落に伴うロイヤルティー収入の激減(2014年87億レアル⇒2015年55億レアル)が主因。公的保健・医療分野が非常事態宣言、治安・交通インフラ分野の予算も逼迫。

リオの治安状況について。

年間8万件を超える強盗事件が発生しており、“体感治安”は確実に悪化している。懸念材料となっている。

2008年から、組織犯罪の拠点となっているファヴェーラにUPP(州軍警平和構築部隊)を設置し、一時期、殺人・強盗事件は減ったが、2013年以降また増加傾向へ。オリンピック開催に先立ち、リオ州公安局では治安回復を第一目標にしている。

オリンピック・パラリンピック開催中の警備体制については、8万5千人体制をとることになっており、これはロンドン大会の約2倍という空前の規模。但し、テロに対しては、当局は「ブラジルは国際テロのターゲットではない」との見方を有しており、テロが発生する可能性を否定することはできない。期間中は、CIANT(テロ対策統合センター)をリオとブラジリアに開設し、毎日、デイリーブリーフィングを実施する見込み。

リオ州内における感染症の流行状況については、デング熱(州内で2015年68,659件と前年比8.9培)ジカ熱(2016年2月3日までの報告では3,449件、感染しても発症しない場合もあるが、小頭症新生児発生との関連が指摘されている)が懸念される。ブラジル全国で軍隊22万人を動員した啓発・駆除活動が続けられているが、在リオ総領事館としては、①「安全の手引き」リーフレットの作成、②現地医療関係者との連絡・協力体制の構築、③感染症関係の情報収集、④健康安全講話実施、などを行っている。

最後に、スポーツ交流として、柔道イベント(柔道連盟や民間から畳や柔道着、帯など寄贈)、マラソンイベントが行われた。

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日  時
2016年4月14日(木) 15:00~16:30
会  場 フォーリンプレスセンター

アクセスマップ
〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル6階
[東京メトロ 日比谷線、丸ノ内線、千代田線]霞ヶ関駅 C4番出口
[都営三田線]内幸町駅 A6番出口

会  費 個人会員 1,000円
法人会員 2,000円

非会員  3,000円
※会費は当日会場にて申し受けます。領収書もご用意します。
お申し込み 4月13日までに下記フォームよりお申し込みください。
お問合せ 日本ブラジル中央協会 事務局
担当:宮田、上条
info@nipo-brasil.org