講 師 : 岩城 聡 日本経済新聞編集局アジア部次長
(前ニューデリー支局長、元サンパウロ支局長)
演 題 : ブラジルとインド
~元サンパウロ支局長・前ニューデリー支局長の経験から~

日経新聞 岩城聡 氏
日本経済新聞編集局アジア部次長
岩城 聡 氏

日本の9倍の面積を有するインド、面積では日本の23倍のブラジル。一人当たりGDPでは、ブラジルは約1万1千ドル、インドは約1,600ドル。29の州と7つの連邦直轄地、22の公用語があるインド。日本との関係では、桃太郎伝説、インパール作戦、中村屋のボース、チャンドラ・ボース、(東京裁判の)パール判事、といったところから始まった、縦横無尽な、ブラジル・インド比較論は、政治や経済から社会・生活にまで及んだ。

その比較論トークの対象となったテーマを列記する。
なぜ、最下層出身のルーラが最強の大統領になり、後継者「鉄の女」ルセフ大統領がのし上がれたのか。一方、昨年当選して首相となった最下層カースト出身のモディが最強の首相になれるかもしれないのは、なぜか。(「自分で理解して自分で実施する、そしてよく働く」「プロジェクトを実施する時に政治的な妥協をしない」、政府内、特にエリート官僚たちの風紀粛清、汚職防止策の断行など)。ブラジルの超インフレ収束に対し、インドはなぜ経済危機を乗り越えられたか。なぜブラジル人は「優しい」のか、なぜインド人は「金のことしか考えないのか」、なぜブラジルでは「デスパシャンテ」(対役所手続き対応便利屋)という商売が成り立ち、インドでは「ジュガード(ジュガール)」(インド的創意工夫・イノベーション)なる奇妙な考えができたのか。なぜ日本人駐在員にはブラジル好きが多いのか。なぜ日本人駐在員はインド嫌いが多いのか。なぜブラジル人はみなアバウトで、フレンドリーで、楽天的なのか。なぜインド人はみな「ありがとう」「すみません」「どうぞ」をいわないのか。なぜブラジルの家のトイレに大きなゴミ箱があるのか。なぜインドの家のトイレに小さな手桶があるのか。(学校にも女子トイレがない)なぜブラジルでは独特のジェスチャーが生まれたのか。なぜインドでは意味もなく複雑なジェスチャーが生まれたのか。なぜブラジル人はナイフとフォークを反対に持つのか。なぜインド人は右手で食べるのか。 なぜブラジルではフェィジョアーダが国民食になったのか。なぜイ
ンドではカレーが国民食になったのか。なぜブラジルのシュラスコ料理は肉をそぎ取る形になったのか。なぜインドでシュラスコ料理が食べられないのか。(ゼブ牛は神だが、水牛の牛肉輸出は世界トップ)なぜブラジルで飲むコーヒーは超甘いのか。なぜインドで飲むチャイは超甘いのか。なぜブラジル女性はスカートをはきたがらないのか。なぜインド女性は髪を切りたがらないのか。なぜブラジルサッカーは「いつも強い」のか。なぜインドのクリケットは「いつも強い」のか。(カーストの異なる者同士の肌のふれあいが起きなくてすむスポーツだから)なぜブラジルは日本を救う存在になりうるのか。なぜインドは日本を救う存在になりうるのか。

インド的多様性とブラジル的多様性に関する、具体的な体験に基づくトークに、参加者は、頷きつつ一様に耳を傾けていた。

その結語は、遠藤周作の名作『深い河』を是非一読されたし、であった。

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講 師岩城 聡 日本経済新聞編集局アジア部次長
(前ニューデリー支局長、元サンパウロ支局長)
演 題ブラジルとインド
-元サンパウロ支局長・前ニューデリー支局長の経験から
日 時2014年10月15日(木)12:00〜14:00 
参加費会員3,500円 非会員4,500円 (当日会場にて申し受けます)
会 場シーボニア・メンズクラブ
[住  所]千代田区内幸町22-1-4 日比谷中日ビル1F
[アクセス]都営三田線内幸町駅下車2分,千代田線霞が関駅下車2分
お申し込みホームページの申し込みフォームにてお申込み下さい。
(当日、会場にて領収書と引き換えに、参加費を申し受けます)

尚、申し込み後、生憎ご欠席となる場合で、前日の10月14日の午前中までにご連絡を頂けない時には、参加費のご負担をお願いせざるを得なくなりますのでご注意下さい。
定員に達し次第、締め切らせて頂きます。
お問合せ日本ブラジル中央協会 事務局
TEL:03-3504-3866