ノルデスチ(東北伯)、アラゴアス州の州都、マセイオは、ポンタヴェルジなどのコバルトブルーの美しいビーチが広がるブラジル有数のリゾート地で、ブラジル人の優しさ、人懐っこさ、暖かさが凝縮された街である。
もともと砂糖のプランテーションで発展し、現在は、ココナツプランテーションや観光が重要な産業である。人口は、100万人ぐらいの小さな町であるが、サンパウロやリオ等の都市部からの観光客の流入で、実際の滞在人口はもっと多い。滞在していた2013 年頃、マセイオは世界で3 番目に危険な街と報道された。観光客の多いビーチ沿いは、夜でも皆が歩いたり、ジョギングしたりし、サンパウロやリオの方が余程危険だと思うが、人口当たりの犯罪率ではどうしてもそのような高さになってしまう。
アラゴアス州には、日系移民はほとんど入植しておらず、町を歩いていると最近交流を深めている中国人に間違えられる事の方が多かった。
週末は、Banda Militar(軍の音楽バンド)が演奏するダンス会場が、ビーチ沿いに設置され、観光客も現地の人も、皆一緒に踊る。昔は、このようなダンス会があちこちの町で週末繰り広げられていたようであるが、今は、田舎の方にだけこのような習慣が残っているようである。
ブラジルの初代大統領がアラゴアス州から出ており、都市部程政治家が変わらないということもあり、何代にもわたり政治家を輩出している一族もいてこの地域で力を持つ。ブラジルでは、所得の南北格差がよく問題になる。都会の人が、ノルデスチーノ(東北人)のことをあまり働かないとかばかにする事が、ノルデスチーノの癪にさわる。そんなにバカにするけれども、あなた達毎年遊びにきているではないか、という意味から“私は、あなたが毎年過ごしている街から来ました”という文字を印刷したT シャツを着て、少しウイットの効いた反撃が行われていた。
やるせない社会構造にも、ケセラセラと笑い飛ばせるユーモアと、逞しさがある町、マセイオ。サンパウロから飛行機で3 時間。年中泳げますので、是非、一度、足をのばしてみては?

 

片岡万枝
(PwC アドバイザリー合同会社所属)