サンパウロ州北部の都市、フランカ。ミナス・ジェライス州に隣接し、サンパウロ市から車で4時間の道のりだ。アルト・モジアーナと呼ばれる
地域にある。
行く前に「田舎だよ」と聞いたが、町並みの中に高いビルやショッピングモールが見える。ブラジル、南米地域で最多の革靴生産量を誇る市の一つでもあるため、ホテル、税関支部、空港など貿易インフラがしっかりと整備されているのだ。輸出先はアメリカ、欧州など。市内には多くの靴専門店がある。
ちなみに、同地で一番に始まったのはコーヒーの生産だ。市内COCAPEC(コーヒー生産者・牧畜生産者協同組合)のほか、アルタ・モジアナ・スペシャルコーヒー生産者協会(AMSC) の会員農場も同市にある。日本でいう「スペシャルティ・コーヒー」の生産者のための組合だ。
同協会の日系農場「Minamihara」の農場主である南原ジェトゥーリオさんは、同地でオーガニックのスペシャルティ・コーヒーの生産をしている。上級のものはアメリカや欧州などに輸出されるため、ブラジルで飲まれるコーヒーは、ローグレードのものが一般的だ。南原さんは「ブラジル人にもスペシャルティ・コーヒーの味を知ってほしい」とカッピング(コーヒーの風味や味の評価)教室も開催している由だ。
生産品もスペシャルだが、歴史も豊富だ。セントロの中心にあるノッサ・セニョーラ・ダ・コンセイソン広場には仏人修道士によって1886年に建立された日時計がある。時間~年のほか、その時期の12星座(よくある運勢占いに使われる星座)、季節まで見ることができる。同修道士は数学者並びに天文学者としても知られていたようだ。1932 年の護憲革命参加者を称えた銅像もある。
また、同地のバスケットチーム「フランカ・バスケットボール・クラブ」は世界バスケットボール選手権で準優勝を収めたことも。そんなこともあり、同地の誇りでもある。
ゆったりとした雰囲気が流れるフランカでコーヒーを楽しみつつ、素敵な一足を探しに訪れてみては?

 

國分雪月
(ニッケイ新聞記者)