執筆者:西岡 勝樹 氏
(日本旗章学協会会員)

はじめに

第5回はリオグランデドスル州旗を紹介する。

 

1. リオグランデドスル州旗

図1 リオグランデドスル州旗

出所:https://cidades.ibge.gov.br/brasil/rs/panorama

 

1-1. リオグランデドスル州概況

1.州都        Porto Alegre    gaúcho ou sul-rio-grandense

2.2018年人口予測   11.329.605 pessoas

3.2010年国勢調査人口 10.693.929 pessoas

リオグランデドスル州はブラジル27州の一つ。南部に属し、ウルグアイ、アルゼンチンと国境を接する。

面積は268.000 km²を少し超える。496の市町村を持つ。人口は1千万人を超える。

州都はポルトアレグレ市。住民をガウショ、もしくは、スルリオグランデセと呼ばれる。

この地域は全土の約3%、人口は約6%に相当し、最南に位置する州である。

州内PIBはブラジル第4位である、穀物生産最大州である。国家工業改革、商業改革の第二の極。

IDH(人間開発指数)は第3位。生活の質は非常に高い。州民はポルトガル、ドイツ、イタリア、アフリカ、インディオの子孫で構成されている。

 

1-2. リオグランデドスル州旗の由来

リオグランデドスル州旗は1891年、州の公式シンボルに制定。製作者は不明。

しかし、共和国陸軍ベルナルド・ピレス少佐との研究がある、また他の歴史家は陸軍エンジニア、

ジョセ・マリア-ノ・デ・マットスが制作者と確認している。

州旗のデザインの起源は、1835年に起こったGuerra dos Farrapos(ファラ-ボス戦争)の反旗にあるという。

オリジナルの旗には州章はなかった。

その後、しばらく、州旗はその使用に関する記載・基準の法令はなかった。

1937年新国家時代、ゼツリオヴァルガス大統領により、すべての州のシンボルは旗、章も含めて、廃止となった。1966年新しく州旗が制定されることになった。その使用方法、規定が法令として制定された。

出所:https://www.estadosecapitaisdobrasil.com/bandeira/bandeira-do-rio-grande-do-sul/

 

1-3. リオグランデドスル州旗の根拠法

1966年1月5日発布州令第5,213号(2004年4月22日州令第12,072号修正)

第一章 州シンボル

第一条 州旗

第二部 州旗

第四条 州旗は本部項による次の項目規定に定めるものとする。

一項:州旗は3つに分割されている。緑色、赤色、黄色である。

緑色と黄色は直角不等辺三角形、赤色は二つの三角形を合わせた四角形となている。

緑色の三角形の直角は旗の左上部角となり、黄色の三角形の直角は旗の右下角になる。

二項:州旗はその中央に白い縦長楕円を置き、その中に州章を配する。

三項:州旗の裏表は同じ絵柄であること。裏表とすることは禁止とする。

第五条 州旗は特別な布地に縦幅1メートルを最低の長さとして製作される。そのサイズの比例は第六条一項、

二項の規定による。

単項  州旗の布質、大きさについては大小、法令の規定・基準に従い製作できる。

第六条 州旗の基本図案は添付図1(下記図2)によるmóduloに従う。

一項 縦幅は140に均分に分割される、その一つをmedida もしくはmóduloと呼ぶ。

二項 横幅は200módulosとする。 (縦横 140:200 14:20 国旗に同じ)

三項 第四条二項の楕円形は高さ(縦幅に相応)70 módulos、横の長さが60 módulos.

四項 緑の三角形の短辺、左側の高さ、正確に70 módulos、同様に黄色の三角形、右側も70 módulosである。

五項 同様に赤色の長方形(直角不等辺三角形を二つ合わせたもの)の両側の短い辺も 70 módulosである。

図2 第六条 州旗の基本図案