小林雅彦(前在ベレン領事事務所長)
ピアウイー州の州都テレジーナは、人口約86万人(IBGE/2018)、ノルデスチでは唯一内陸部にある州都だ。2015 年にFIRMINO FILHO 市長が創設した「武
道の日」の催しに呼ばれ訪問したのをはじめ数度訪問する機会があった。地元の人が、もう数か月雨が降っておらず、暑い日が続いていると語っていたのが印象的だ。
ピアウイー州は、2018 年のブラジル州別競争力ランキング(RANKING NACIONAL DE COMPETITIVIDADEDOS ESTADOS/CENTRO DE LIDERANÇA PÚBLICA:環境、行政、教育などの10 項目で評価)で26 州中21 位と振るわず、教育面の評価でも全国平均を若干下回るが、個別の学校で見ると全国高校ランキング上位を占めるテレジーナの高校があるなど健闘している。
テレジーナには、「ピアウイー州日本文化センター」があり、日本文化・日本語の普及を行うとともに、日本への国費留学を希望する学生に対する情報提供等支援を行っている。管轄4 州の国費留学生の選考ではセンターの支援を受けた候補者は、いずれも素晴らしい成績で毎年合格者2 ~ 3 名という狭き門を突破してほぼ毎年合格していたことを思い出す。
会長の中山征治さんは、移住者として訪伯、大学を卒業後、長くピアウイー州知事の補佐官を務めた人だ。「武道の日」を定めた市長は、中山さんの柔道の弟子でもある。最近、国費留学生交流を契機として、私立UNINOVAFAPI 大学と新潟大学歯学部との学術交流協定が具体化している。
テレジーナでは、名物料理を食べるのが楽しみだった。まずCAPOTE( 一般的には、GALINHA-DEANGOLA)と呼ばれるほろほろ鳥の料理。ピラフ風混ぜご飯(ARROZ COM CAPOTE)がおいしい。同地を訪れ、この食材が気に入り、設宴用に中山さんに頼んで取り寄せていた日本人幹部駐在員もいた由。ノルデスチで人気のCARNE-DE-SOL も郷土料理の代表格だ。名前からして、天日干しの肉を想像するが、実際には風通しの良い室内で乾燥させたもののようだ。市内に専門店がたくさんある。また、市内をめぐると、家々の軒先につるした牛肉や鶏肉が目に付くので自家製のものも食べられているようだ。ブラジルには、他にもCARNE SECA やCHARQUE と呼ばれる干し肉があるが、いずれも製法や味は異なる。さらに、地元の人が二日酔いにいいと勧めてくれるのが、PANELADA と呼ばれるモツ煮込み料理だ。市内の公設市場内の大衆食堂で食べるのがおすすめだ。