1.ルーラ政権

(1)ルーラ大統領は2日、フランコ人種平等相のPT入党式に出席した際、「フランコは、本年の地方選挙ではなく、2026年の選挙で連邦議員に立候補すべきであり、それまでは大臣を続けるべきである」と述べた。先月24日にマリエーレ・フランコ市議暗殺の黒幕が逮捕された後、フランコ人種平等相は、パエス・リオデジャネイロ市長の副市長候補に指名されるのではないかと見られていた。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)法務治安省は2日、2月14日にモッソロー市(リオグランデ・ド・ノルテ州)の連邦刑務所から犯罪組織の幹部2名が脱獄した件に関し、「刑務所職員が脱獄を手引きしたとの事実はなかったが、警備システムに不備があったので、職員10名に対して始末書の提出、再教育プログラム等の処分を行うこととなった」と発表した。レヴァンドフスキ法務治安相は、脱獄犯の捜索に500人を投入したが、未だに捕まえられないでいる。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)人権・市民権省の恩赦委員会は2日、ミナスジェライス州及びマットグロッソ・ド・スル州の先住民の部族に対し、軍事政権がこれらの部族を迫害し、拷問等の人権侵害を行っていたことを認め、謝罪すると共に、これらの先住民に恩赦を与え、名誉回復に努めることを決定した。政府が軍事政権の人権侵害に関して個人ではなく、特定の集団に謝罪したのは今回が初めて。また、同委員会は、軍事政権により、政治犯として拘束され、拷問を受けた後、禁固10年の刑に服した中国人9名に対する恩赦を承認した。恩赦委員会は3日、1975年に当時の政治警察によって殺害されたジャーナリスト(ウラジミール・エルゾグ)の未亡人の恩赦を承認し、その息子に対して正式に謝罪した。エルゾグの未亡人は、夫の死について調査を行い、当局から政治犯として弾圧を受けていた。(3日及び4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)国家人権審議会は2日、ルーベンス・パイヴァ元下院議員殺害の再調査を決定した。パイヴァは、1964年の軍事クーデターに伴い、公職から追放された後、1971年、当局により連行された後は行方不明となっていた。パイヴァは、軍から拷問を受けて死亡したとの説が有力視されている。(3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(5)アダッジ財務相は2日、パシェコ上院議長が市役所職員の社会保険料削減措置廃止(reoneração)の失効を決定した件に関し、「これによる連邦政府の減収は100億レアルに上る。財政の立て直しには、三権の協力が必要である」と批判した。これに対し、パシェコ議長は「法的安定性を確保する上で必要な措置であった」と反論。アダッジは3日、パシェコ議長の決定の取消を求めるため、連邦最高裁判所において訴訟を起こす可能性について言及した。(3日及び4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(6)北東部の州知事は3日、対連邦債務の再交渉についてアダッジ財務相と協議を行い、各州政府の財政再建策を提出した。財務省は、30日以内に結論を出す見込み。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(7)ルーラの息子(ルイス・クラウジオ)がDVにより訴えられていたことが判明。ジャンジャ大統領夫人は3日、アジェンダ2030及びSDGsに関するワークショップに参加した際、女性に対する暴力の根絶を訴えたが、ルーラの息子に関する件については言及しなかった。ルイス・クラウジオは、ルーラがマリーザ夫人(故人)との間にもうけた3人の息子の内の末っ子である。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(8)連邦警察がバイア州政府の不正疑惑にコスタ文官長(PT)が関与していた可能性について捜査していることが判明。バイア州政府は、新型コロナウイルスのパンデミックの際、人工呼吸器の購入に4800万レアルを拠出したが、架空請求等の不正が行われた可能性がある。尚、ルーラ大統領は4日、ペルナンブコ州を訪問した際、「自分には非常に有能な閣僚が揃っており、コスタはその内の一人である。彼は言わば首相のような役割を果たしている」と擁護した。(4日付Uol)

 

2. ボルソナーロ派

(1)連邦最高裁判所(STF)は2日、ボルソナーロ派のニコラス・フェレイラ下院議員(PL-MG)とカルラ・ザンベーリ下院議員(PL-SP)の控訴を棄却した。これにより、両議員に対し、2022年の選挙におけるフェイクニュースの拡散により、それぞれ3万レアルの過料を言い渡した選挙高等裁判所(TSE)の判決が確定した。フェレイラは、「ルーラが当選すれば、預金封鎖をして、貴方達の財産を奪う」と繰り返しSNSに投稿し、ザンベーリは、「PTと繋がりのある組合が電子投票箱を操作している」と訴える動画を拡散した。(3日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ボルソナーロ夫妻は、ルーラに対し、虚偽の告発により、損害賠償を請求するための訴訟を起こしたが、連邦直轄区(DF)裁判所は2日、「大統領ではなく、国を訴えるべきであった」として、訴えを棄却した。ルーラは、「就任後に大統領公邸に行ってみたら、家具等の備品が261個も紛失していた」と述べ、備品がボルソナーロ夫妻により持ち去られたと仄めかしたが、その後、備品は全て倉庫等に保管されていたことが判明し、ボルソナーロは損害賠償を求めていた。(3日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)CNN Brasilによると、ボルソナーロ前大統領が本年2月にハンガリー大使館に2泊した時の様子を収めた防犯カメラの映像が公開された後、同大使館の現地職員2名が解雇されていたことが判明。解雇された職員は、防犯カメラの映像にアクセスできる立場にあったということであるが、実際に映像のリークに関わっていたのか否かは不明。(4日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

3.連邦議会

連邦最高裁判所(STF)が連邦議員の裁判管轄特権(foro privilegiado)を議員辞職した、または議員資格を剥奪された元議員にも認めることについて審理を行っているが、野党のソステネス・カヴァルカンテ下院議員(PL-RJ)は2日、これに対抗して、連邦議員の裁判管轄権の見直しに関する憲法修正案(PEC)を提出した。現在、連邦議員に関する裁判管轄権は、連邦最高裁判所(STF)にあるが、同PECは、これを連邦地方裁判所(TRFs)の管轄とし、司法高等裁判所(STJ)への控訴を認めることで、STFの権限を縮小するとの内容になっている。 (3日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

4.司法

(1)3日、パラナ州選挙地方裁判所(TRE)において、セルジオ・モーロ上院議員(União Brasil-PR)の当選取消訴訟の審理が再開された。審理は、ジョゼ・ロドリゴ・サデ判事(最近、ルーラ大統領によってTRE判事に任命された)が「モーロが2022年の選挙において経済力を濫用したのは明らか」として、モーロの当選取消を主張し、評決が当選取消に賛成1、反対1となったところで休廷となった。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)連邦最高裁判所(STF)は3日、本年10月の地方選挙に向けて、ディープフェイク対策を強化するため、連邦総弁護庁(AGU)及び連邦警察と協力することを決定した。これにより、STFが設置した「偽情報対策・民主主義擁護統合センター」にAGUと連邦警察が加わることとなった。同センターは、伯の司法機関とビッグテック企業の連携を促すため、本年3月に設置された。(4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

 

 

1.ルーラ政権

(1)4日、モッソロー連邦刑務所から脱走した犯罪組織の幹部2名が刑務所から1600kmも離れたパラー州マラバー市内で逮捕され、脱獄から50日振りにモッソロー連邦刑務所に戻された。これにより、レヴァンドフスキ法務治安相は、マリエーレ・フランコ市議暗殺の黒幕の逮捕に続いて大きな成果を上げることに成功。政府は、これにより、政府の治安対策に対する批判をかわせるようになることを期待。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ルーラ大統領は4日、ペルナンブコ州において、サンフランシスコ川引水事業関連施設の完成式において演説を行った際、「毎日のように嘘を吐き、ヘイトを煽る嘘の工場が存在する。彼らは、無暗に神の名を唱えているが、神は真実であり、嘘ではない。私が3回も大統領になれたり、サンフランシスコ川の水を灌漑に使えるようになったりしたのは、奇跡である。月から見えるのは、万里の長城とサンフランシスコ川引水事業の水路である」と述べた。これは、頑なにルーラを拒絶する福音派に対する呼びかけと受け止められている。尚、ルーラは、福音派を取り込むため、トリンダーデ保健相、サンタナ教育相、ディアス開発・福祉・家族・飢餓対策相等の閣僚に対し、福音派の代表と会合を行い、関係構築に努めるよう、求めている。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ及び7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)4日の伯ラジオ・テレビ局協会(Abert)の発表によると、昨年、伯国内で確認されたジャーナリスト及び報道機関に対する非致死性の攻撃(傷害、名誉棄損、脅迫等)は111件で、2022年度と比べて19%減少したが、3日に1件のペースで攻撃が行われており、未だ高い水準にある。また、インターネット上の攻撃は昨年、2900件に達した。国境なき記者団の世界報道自由ランキングでは、伯は180ヵ国中、92位である。(5日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)ペルナンブコ州を訪問したルーラ大統領は5日、北東部横断鉄道(ferrovia Transnordestina)を2027年までに完成させると表明した。同鉄道の建設は、約20年前に開始されたが、全長1206㎞の内、完成したのは全体の61%に過ぎない。同鉄道の建設は、新成長加速計画(Novo PAC)の一環として進められており、昨年度の投資額は2.69億レアルに上った。また、ルーラは、カンポス・レシフェ市長(PSB)と防波堤の完成式に出席した際、同市長を称賛した。PTは、レシフェ市長選ではカンポス市長の再選を支持しており、その副市長候補を指名しようとしている。(6日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(5)政府内では、プラテス・ペトロブラス社総裁(PT)に対する風当たりが強まっており、ルーラは、メルカダンテ・BNDES総裁(PT)をペトロブラス社総裁に任命するのではないかとの憶測が流れている。これに対し、プラテスは5日、更迭説を否定し、この15カ月間の成果をまとめた報告書を大統領に提出すると表明。(6日及び4日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(6)国立宇宙研究所(Inpe)によると、本年第1四半期にアマゾンにおいて伐採された森林の面積は491.8㎢で、昨年同期(844.6㎢)比で41.7%の減少となった。一方、セラードの伐採面積は、昨年の1416.9㎢から1445.6㎢に増えた(2%増)。(6日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

2. ボルソナーロ派

伯環境再生天然資源院(IBAMA)は、ボルソナーロ前大統領に対し、昨年6月にサンパウロ州の海岸でクジラを虐待したとして、2500レアルの罰金を科した。これに対し、ボルソナーロは、「連邦警察からは立件されなかったというのに、IBAMAは、20日以内に弁明するか、罰金を払えと言ってきた。際限のない迫害を受けている」とSNSに投稿した。(9日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

3.司法

(1)X(旧ツイッター)のオーナーであるイーロン・マスク氏は6日、モラエス・STF判事を批判し、「何故、伯にはそんなに(SNSに対する)検閲が存在するのか? モラエス判事の要請によりブロックされたボルソナーロ派のアカウントを解除する」との書き込みを行った。これに対し、モラエス判事は7日、「インターネットは無法地帯ではなく、SNS企業には、世の中に拡散されていることに対する責任がある。人間の尊厳、子供や青少年の命の保護、民主的法治国家の維持は、SNS企業の経済的利益より優先される。SNSがデジタル民兵組織により犯罪に利用されていたことについてSNS企業、特にXが承知していなかったということは受け入れ難い」として、イーロン・マスク氏をデジタル民兵組織に関する捜査の対象に加えると共に、XがSTFの命令に反してアカウント制限を解除した場合、1アカウント毎に10万レアルの罰金を科すと決定した。バホーゾ・STF長官は8日、「民主主義をよく思わない勢力は、SNSを犯罪に利用している。伯国内で活動しているSNS企業は、(伯)憲法を遵守すべきである」と述べ、モラエス判事を擁護した。連邦警察は、レヴァンドフスキ法務治安相の指示により、イーロン・マスク氏の捜査(司法妨害、犯罪教唆)を開始した。尚、パシェコ上院議長は、「SNSの規制は不可避」として、下院に対し、フェイクニュース対策法案の迅速な審議を求めた。(8日及び9日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ボルソナーロ派のヌネス・マルケス・STF判事は、「軍の役割について定めた憲法第142条は、軍事介入(intervenção militar)は認めておらず、また、軍の調整権(poder moderador)も認めていない。軍は、三権の上位に位置しない」とする報告官のフックス判事の主張を支持した。これにより、STF判事11名の内、10名がフックス判事の主張を支持したことになり、ボルソナーロ派の主張(軍には調整権があるため、軍事介入できる)が全面的に否定されることとなった。8日、トフォリ・STF判事がフックス判事の主張を支持したことにより、STFは全会一致でボルソナーロ派の主張を否定した。(8日及び9日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)8日、パラナ選挙地方裁判所(TRE)では、セルジオ・モーロ上院議員(União Brasil-PR)の当選取消訴訟の審理が再開され、クリストファーニ判事とデンス判事が当選取消に反対する報告官のファラヴィーニャ判事を支持し、当選取消に反対3、賛成1となったところで、休廷となった。残り3名の判事の内、一人が取消に反対すれば、PTとPLの請求は棄却されることになる。(9日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

4.外交

(1)国連人権理事会は5日、イスラエルへの武器売却停止を求める決議を採択した。伯等の28ヵ国は賛成、13カ国が棄権、米、ドイツ等6カ国が反対票を投じた。(6日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)5日、エクアドル警察が在キト・メキシコ大使館に強行突入し、同大使館に滞在していたグラス元エクアドル副大統領の身柄を拘束した。これに対し、オブラドール・メキシコ大統領は6日、エクアドルとの国交断絶を発表。ルーラは、「友人であるオブラドール大統領に対し、全面的な連帯を表明する」とXに投稿。伯外務省は、エクアドル政府を非難し、メキシコに連帯を示すとの声明を発表。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)国連人権理事会は4日、イランの人権侵害に関する調査団設置決議案が賛成24、反対8により採択された。伯は、インド、南ア、カタール、UAE等の14ヵ国と共に棄権した。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(4)伯情報庁(ABIN)が在伯ロシア大使館の外交官(セルゲイ・チュミロフ)がロシアのスパイであることを突き止めた後、この外交官が昨年7月に伯から出国していたことが判明した。伯外務省とロシア大使館は取材に対してノーコメントとしている。チュミロフは、ロシアへの留学生や研修生を募集する等して、情報提供者をリクルートしていたとされる。(8日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(5)ラベツキー在伯ロシア大使は、フォーリャ・デ・サンパウロ紙とのインタビューに応じた際、「プーチン大統領の5選は、ロシア国民が我々の意思に反することを押し付けられるのは受け入れないことの表れである。選挙は公正且つ自由に実施され、欧米の批判は当たらない」、「プーチンは、戦争犯罪は犯していない。ウクライナ紛争は、ロシア人を守り、国の安全を守るために始められた」と述べた。また、同大使は、「プーチンとルーラは、年内に会談する」と述べたが、プーチンのG20サミット出席に関する発言は避けた。(7日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

 

 

1.ルーラ政権

(1)ルーラ大統領は9日、電気料金の引き下げ(3.5%~5%)に関する暫定措置令(MP)に署名した。最近の電気料金の値上げは、連邦政府にとって懸念事項の一つとなっている。尚、同MPには、風力、太陽光及びバイオマス発電に対する国の補助金制度を更に3年に亘って延長することが盛り込まれている。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)連邦政府は9日、「アマゾン地域において、森林の伐採と火災を減らし、持続可能性を高める市町村に対して合計7.3億レアルを供与する」とのプログラムを発表した。環境省によると、森林破壊が著しい70の市町村が対象となっており、その内の53の市町村が既にプログラムへの参加を決定している。ルーラ大統領は、「我々はアマゾンを地球で最も重要な物として守ることにしている」と述べた。また、ルーラは、「森林の伐採や火災が地球に害を及ぼすことはないと信じている人達がいる。ロケットを作って地球以外の場所に行こうとしているビリオネアもいる。彼は、この地球で生活し、その豊富な資金力を環境保全や人々の生活向上のために使うことを学ぶべきである」と述べ、暗にイーロン・マスク氏を批判した。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)アダッジ財務相は10日、「連邦政府には、年内に公務員の賃上げに応じるだけの財政的な余裕はない。本年は、食事、保育所及び医療の各手当を引き上げるだけで、賃上げは、明年以降に行う。その際、インフレ以上の調整を行うので、賃金が目減りすることはない」と表明。これに対し、公務員組合は、本年から2026年にかけて、合計22.71%~34.32%の賃上げを行うことを求めており、今月15日に政府案に対する回答を提示する予定。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)ルーラ大統領は10日、連邦政府が住宅供給プログラム「Minha Casa Minha Vida」に116億レアルを拠出し、住宅11.25万軒を建設すると発表した。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(5)ルーラは10日、「極右の過激主義の台頭により、伯において草一本植えたことのない米国の企業家(イーロン・マスク)が伯の最高裁と国民の悪口を言うようなことがまかり通っている」と批判した。(11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

2. ボルソナーロ派

グスタヴォ・ガイエル(PL-GO)、リカルド・サレス(PL-SP)、ビア・キシス(DF-PL)、ジュリア・ザナッタ(PL-SC)、マルコス・ポロン(PL-MS)等のボルソナーロ派議員は今週、欧州議会、ICJ等を訪問し、「伯では、表現の自由が侵害されており、ボルソナーロ派が政治的に迫害されている」と訴えている。グスタヴォ・ガイエルは、イーロン・マスク氏がモラエス・STF判事を批判し、STFの決定には従わないと表明した件に関し、「イーロン・マスク氏には、伯では司法による独裁が横行していることを全世界に発信してもらい、感謝している。ブリュッセルでもそれが役に立った」とSNSに投稿。エドゥアルド・ボルソナーロ下院議員(PL-SP)も「欧州議会では、Twitter Files Brazilの話題で持ちきりである。表現の自由のために闘う人達への支持が示された」と投稿。 (11日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

3.連邦議会

(1)リラ下院議長は9日、各党院内総務との会合において、フェイクニュース対策法案に関して新たに作業部会を立ち上げ、議論を一からやり直すことを決定した。これにより、既出のフェイクニュース対策法案(2020年に上院を通過後、下院に於いて審議待ちとなっている。下院における報告官はオルランド・シルヴァ下院議員(PcdoB-SP))は事実上の廃案となる可能性が高い。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)上院治安委員会は9日、Xのイーロン・マスク氏が「モラエス・STF判事は独裁者であり、その犯罪行為により裁かれるべきである。モラエスは、ルーラに首輪をつけている」と批判し、Twitter Files Brazilにおいて、伯の選挙高等裁判所(TSE)と連邦最高裁判所(STF)が非難されている件に関して公聴会を開き、イーロン・マスク氏の聴取をオンライン会議により行うことを決定した。(8日及び9日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)10日、下院では、マリエーレ・フランコ市議暗殺の黒幕として逮捕されたシキーニョ・ブラザォン下院議員(無所属-RJ)の勾留が賛成277、反対129で承認され、逮捕を命じたモラエス・STF判事が勝利を収めた。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

4.司法

(1)トフォリ・STF判事は9日、フェイクニュースや偽情報の拡散に関してSNS企業の責任を問う訴訟の審理を6月までに再開すると決定した。同判事は昨年、下院において、フェイクニュース対策法案の審議が開始されたことを受け、審理の中断を決定したが、同法案の早期成立を促すため、審理の再開を決断したものと見られる。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)X(旧ツイッター)の伯における代表は、弁護士を通じて、「X Brasilは、プラットホームの運営には関与していないため、伯の司法機関の命令には従う必要はない」として、X及びイーロン・マスク氏が伯の裁判所の命令に従わなくても、責任を問われることのないよう、連邦最高裁判所(STF)に対して申立を行った。これに対し、モラエス・STF 判事は9日、「シニシズムである」として、これを却下した。連邦検察庁は、連邦警察にX Brazil代表の事情聴取を行わせるべきとの意見書をSTFに提出。尚、イーロン・マスク氏は、モラエス判事によって捜査対象者とされた後、「モラエス判事は、2022年伯大統領選に干渉することで、ルーラの当選に貢献した」と非難した。ボルソナーロ前大統領、その息子達、ボルソナーロ派の政治家及び支持者は、イーロン・マスク氏を全面的に擁護し、モラエス判事を非難している。これにより、ボルソナーロ派のSTFに対する攻撃が再燃している。ボルソナーロは、イーロン・マスク氏を擁護し、STFに抗議するためのデモを今月21日にリオデジャネイロにおいて実施するよう、支持者に呼び掛けている。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)9日、パラナ選挙地方裁判所(TRE)において、セルジオ・モーロ上院議員の当選取消に関する審理が終了し、評決の結果、5対2により、PT及びPLの訴えは棄却され、モーロの勝訴に終わった。尚、PTとPLは、控訴する構え。(10日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

 

 

 

1.ルーラ政権

(1)リラ下院議長は11日、シキーニョ・ブラザォン下院議員(無所属-RJ)の勾留が下院から承認された件に関して記者の質問を受けた際、「パジーリャ政治調整庁長官は、無能であり、個人的な敵である」と批判した。下院がブラザォン議員の勾留を承認したことは、パジーリャの勝利であり、リラ議長にとっては敗北と受け止められている。リラ議長は、パジーリャとは議員割当金(emenda parlamentar)の拠出等を巡って以前から対立しており、ブラザォン議員の件で両者の決裂は決定的となった。尚、パシェコ上院議長(PSD-MG)は、「パジーリャには好意を持っており、彼は有能であると思う。自分は、政府及びパジーリャとの良好な関係に努めている」と述べた。ルーラ大統領は12日、リラ議長のパジーリャ批判に関し、「パジーリャ程、議会との調整に適した人材はおらず、パジーリャは今後も末永く大臣を務めるであろう」と述べた。(12日及び13日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ルーラ大統領は11日、連邦直轄区(DF)のソール・ナセンテ地区において、「ブラジリア連邦インスティテュート(IFB)」の定礎式に出席した際、「自分は、これまで大統領として、782の職業訓練学校を設立してきた。ペレやロマーリオが通算1000ゴールを目指したように、自分は、1千校の設立を目標としている」と述べた。また、ルーラは、末っ子のルイス・クラウジオがDVにより訴えられている件に関し、「女性は、叩かれるために生まれてきたのではない」と述べ、女性に対する暴力の根絶や男女同一賃金等を訴えたが、息子の件については触れなかった。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)ルーラは11日、レヴァンドフスキ法務治安相の提案を受け、受刑者一時出所(saidinha)廃止法の内、家族との面会目的の一時出所の廃止に関する条文に対して拒否権を行使した上で、これを裁可した。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)ドゥエッキ行政管理・公共サービス革新大臣は11日、「連邦政府は、2025年と2026年に国家公務員の賃上げを実施し、昨年の賃上げ(9%)と合わせて、合計19%以上の賃上げを行う方向で調整中。本年は、食事手当等の手当は引き上げるが、賃上げは行わない」と発表した。(11日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(5)Quaest社がサンパウロ州及びミナスジェライス州に於いて実施した世論調査によると、フレイタス・サンパウロ州知事(Republicanos)とゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)に対する評価は以下の通り。フレイタス:「ポジティブ」41%、「普通」35%、「ネガティブ」16%。ゼマ:「ポジティブ」41%、「普通」34%、「ネガティブ」18%。両州では、ルーラの「ネガティブ」評価は「ポジティブ」を上回っており(サンパウロ:「ポジティブ」32%、「普通」29%、「ネガティブ」37%。ミナスジェライス:「ポジティブ」34%、「普通」30%、「ネガティブ」35%)、ボルソナーロ派の両知事よりも低評価となっている。(12日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(6)ルーラ大統領は15日、2026年までに29.5万世帯を対象に農地改革を実施するとの「Terra da Gente(人々の土地)」プログラムに関する大統領令に署名した。その際、ルーラは、「これは、大きな諍いを起こすことなく、(土地なし農民の)問題を解決するための政策であるが、農地改革のための闘いを否定するものではない」と強調した。テイシェイラ農業開発・家族農業大臣によると、2017年から2023年にかけて、農地を巡って発生した暴力事件は708件に上る。各地で土地無し農民運動(MST)による農地の不法占拠が相次いでいるところ、政府は、MSTの要請を受け、サントス国家農地改革院(INCRA)アラゴアス州支局長を更迭した。サントスは、リラ下院議長の従兄弟であり、これが政府と同議長の対立を激化させる可能性がある。(16日及び17日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(7)連邦政府の経済チームは15日、2025年度連邦予算編成方針法案(PLDO)を連邦議会に提出した。2025年度の財政目標は、GDPの0.5%相当の黒字から0%、2026年度の目標は、1%から0.25%の黒字に変更された。また、明年度の最低賃金は、1502レアルに設定された。(16日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(8)21の国立大学及び教育機関の教員は15日、本年から2026年にかけて合計22%の賃上げを求めてストライキを決行した。17日には、ブラジリアでのデモ行進が実施された。(16日及び18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(9)リラ下院議長が行政府と司法府に報復するため、選挙高等裁判所(TSE)と連邦最高裁判所(STF)の権力乱用及び検閲に関する議会調査委員会(CPI)の設置や土地無し農民運動(MST)を標的にした土地不法占拠取締り法案等、野党が推進している法案の審議を推し進めているところ、コスタ文官長(PT)とモラエス・STF判事は17日、リラ議長と会談を行い、調整を行った。リラ議長は、今後、行政府との調整はパジーリャ政治調整庁長官ではなく、コスタ文官長と行うことにしている。尚、アルキミン大統領臨時代行は17日、伯・中国修好50周年に関するイベントに出席した際、「三権は、騒がしくはあるが、調和の取れた関係を維持している」と述べ、リラ議長との対立については過小評価した。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

2.連邦議会

(1)9日、下院において、キン・カタギリ下院議員が提出した「ビデオゲーム規制法案」が可決され、大統領の裁可に付された。これにより、国産ゲームの開発が奨励される他、児童を暴力的なコンテンツから保護するための規制が設けられる。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)16日、上院において、数量に関係なく、大麻の所持を犯罪として処罰するとの憲法修正案(PEC 45/2023)が賛成53、反対9(1回目の採決)、賛成52、反対9(2回目)で可決された。一方、連邦最高裁判所(STF)では、少量且つ個人消費目的であれば、大麻の所持を認めることについて審理が行われており、上院が先手を打って、大麻所持を禁止した形となった。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)17日、上院において、所得税の課税所得の下限を最低賃金の2倍(2824レアル)に引き上げるとの法案が可決され、大統領の裁可に付されることとなった。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)17日、上院憲法司法委員会(CCJ)において、裁判官及び検察官に対し、5年間勤務する毎に給与の5%を上乗せする(合計35%)との憲法修正案(PEC do Quinquênio)が可決された。現在、公務員給与はSTF判事の給与(4.4万レアル)を上限としているが、これが成立すれば、裁判官と検察官の場合、上限以上の報酬を受け取ることが可能となる。これによる人件費の増額は年420億レアルと試算されている。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(5)ムシオ国防相は17日、陸・海・空軍の各司令官と共に下院外交防衛委員会の公聴会に出席した際、「伯の防衛予算はGDPの1.1%であるが、NATO諸国は2%、コロンビアは3.6%に達している。近隣諸国の中には防衛予算が伯よりも多い国がある」と窮状を訴え、議員割当金(emenda parlamentar)の一部を装備の拡充に使用することを求めた。また、同国防相は、複数の軍人がクーデター未遂に関与していた件に関して問われた際、「1964年のクーデターを主導したのは軍部であったが、2022年のクーデターを未然に防いだのも軍部であった」と強調した。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

4.司法

(1)バホーゾ・STF長官は11日、「イーロン・マスク氏とモラエス・STF判事を巡る問題に関する公の場での議論は終わった。人々は、口では勇ましいことを言うが、それを実行には移さないものである。裁判所の決定が守られない場合、訴訟手続の範囲内で対処する。法律上は、伯におけるXの使用が一時的に中断されることもあり得る」と述べた。尚、イーロン・マスク氏は11日、「伯は世界で最悪の検閲を行っている国である。Xが使用されている国の中では、伯の検閲の厳しさは断トツである」とXに投稿した。伯政府は、Xとは新規の広告契約は結ばないことにした。イーロン・マスク氏の一連の対伯批判が原因とされている。昨年から本年にかけて伯政府がXに支払った広告費は約540万レアルとされている。17日、イーロン・マスク氏が米国議会の委員会に対してモラエス判事のアカウント削除命令を開示していたことが判明。同氏は、「モラエス判事は、根拠を示すことなく、削除を命じており、伯の法令に違反している。同判事は弾劾されるべきである」と主張している。(12日付コレイオ・ブラジリエンセ、13日及び18日付フォーリャ・デ・サンパウロ )

(2)12日、STF判事の過半数がメンデス判事の主張(議員経験者にも現職の議員と同様に裁判管轄特権(foro privilegiado)を認める)を支持したことで、元連邦議員の職務上の不正行為については、STFに裁判管轄権があることになり、結果的にSTFの権限が拡大されることとなった。一方、連邦議会では、主にボルソナーロ派が中心となって、STFの権限縮小に関する憲法修正案(PEC)の発議に向けて準備が進められている。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

5.外交

(1)訪米中のミレイ・アルゼンチン大統領は12日、イーロン・マスク氏と会談し、「マスク氏が伯の連邦最高裁判所(STF)との間で繰り広げている争いに協力する。また、マスク氏が伯で展開しているビジネスを他国に移すつもりがあれば、我国は諸手を挙げて歓迎する。我国では、マスク氏の会社が伯よりも遥かに自由な環境でビジネスを展開できるであろう」と述べた。伯外交筋によれば、モンディーノ亜外相の訪伯を控えている状況で、ミレイ大統領がこのような発言を行ったことに対して戸惑いが見られるものの、両国のアジェンダを阻害することはないと見られている。尚、15日に訪伯したモンディーノ外相は、外相会談の後、記者団の質問に対し、「アルゼンチン政府が他国の司法制度に干渉することは絶対にない」と強調した。(13日付コレイオ・ブラジリエンセ及び16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)ゾンシネ在伯イスラエル大使は、「伯外務省が13日夜に発表した、イランのイスラエル攻撃に関する声明の中で非難という言葉を使わなかったことに失望した。イスラエルがイランのテロ攻撃を受け入れることはない。安保理が対イラン制裁を承認することを期待」と述べ、伯を批判した。ヴィエイラ外相は15日、「伯外務省の声明は、13日午後11時に発表されたが、その時点においては、まだ攻撃の範囲や規模について明確に把握していなかったため、作戦の開始が他国に波及することを懸念するとの内容になった」と説明した。尚、ユダヤ人団体も伯政府がイランを非難しなかったことを批判している。(15日付コレイオ・ブラジリエンセ及び16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)ルーラ大統領は16日、ラ米・カリブ海諸国共同体首脳会議(オンライン)に出席した際、「今月5日にキトで起きたこと(在エクアドル・メキシコ大使館に対する強行突入)は、受け入れ難いものであり、メキシコに限らず、我々全員の問題でもある。エクアドルが正式に謝罪することが正常化への第一歩である」と述べた。(17日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)15日に訪伯したモンディーノ・アルゼンチン外相は、ヴィエイラ外相に対し、ミレイ亜大統領の親書を手交した。ミレイは、親書の中で、良好な二国間関係の継続を呼び掛けたとされている。但し、伯亜首脳会談が短期間で実現する見込みはなく、ミレイの親書にも首脳会談に関する言及はなかった模様。尚、ルーラとミレイは、7月のメルコスール首脳会議(於パラグアイ)と11月のG20サミットで顔を合わせることになる。(16日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(5)17日、コロンビアを訪問したルーラ大統領は、ペトロ・コロンビア大統領と首脳会談を行い、両国がアマゾンにおける森林伐採、組織犯罪及び金の違法採取(garimpo)の撲滅に向けて連携することを主張した。その後、ルーラは、伯・コロンビア企業フォーラムに出席し、二国間の通商及び投資拡大、並びに南米諸国の統合を訴えた。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(6)Zhu Qingqiao在伯中国大使は、コレイオ・ブラジリエンセ紙のインタビューに応じた際、「両国は本年、修好50周年という重要な節目を迎えている。両国は、それぞれ東半球と西半球における最大の途上国であり、経済的な補完関係にある。中国は、過去14年間に亘り、伯にとって最大の貿易相手国であり、最大の輸出先となっている」、「伯は、途上国として、また、中南米の国として初めて中国と戦略的パートナーシップを結んだ国であり、両国は、常に長期的な視点から関係を見据えている。一帯一路と伯の再工業化等、成長戦略のシナジー効果が見込まれる。科学技術及びイノベーション、グリーン経済、デジタル経済等、開拓すべき分野は数多く存在する」等と述べた。(18日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(7)ペトロ・コロンビア大統領は17日、ルーラとの首脳会談後、「ベネズエラにおける反政府派の人権と参政権を守るため、国民投票を実施することを提案する。この提案については、ルーラ大統領にも話しており、その支持を得た」と発言したが、ルーラは、右に関するコメントは避けた。(18日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(8)アモリン大統領補佐官は来週、ロシアのサンクト・ペテルブルグで開催される「BRICS国家安全保障担当官会議」に出席する予定。その際、ロシアのウシャコフ大統領補佐官(対外政策担当)及びパトルシェフ安全保障会議書記とのバイ会談に臨む予定。アモリンが昨年4月に訪露した際にはプーチン露大統領と面会している。(17日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

 

 

1.ルーラ政権

(1)ルーラ大統領は18日、新たに二つの先住民居留区(バイア州のアルデイア・ヴェーリャ、並びにマットグロッソ州のカシケ・フォントウラ)の設置を承認した。但し、Apib等の先住民団体は、今回、これら2つの居留区だけではなく、6つの居留区が承認されると期待していたため、「期待外れであった」と不満を述べている。ルーラは、承認されなかった4つについては、先住民以外の住民がいたり、係争中の土地が含まれているためと説明している。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)伯地理統計院(IBGE)が19日に発表したところによると、国民一人当たりの平均所得が2022年の月1658レアルから昨年は月1848レアルに上昇し、比較可能な2012年以降、過去最高を記録していたことが判明。雇用水準の改善、ボルサ・ファミリアの増額及び対象家庭の拡大(全体の19%)により、所得水準の底上げが行われたと見られている。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(3)現在、連邦議会では、裁判官と検察官を対象とする5年毎の給与上乗せ(5%。これによる人件費の増額は年420億レアルと推定)、17業種を対象とする社会保険料削減措置(desoneração。年500億レアル)の継続、イベント業界緊急支援プログラム(Perse)の継続(2024年から2026年にかけて合計150億レアル)等、財政規律を脅かしかねない法案(「爆弾議題(pautas-bombas)」の審議が進められており、アダッジ財務相は、訪米を予定より早く切り上げて、議会との交渉に乗り出すこととなった。ルーラ大統領は22日、「Acreditaプログラム(下記(5)参照)」の発表式に於いて、「アルキミン副大統領は、もっと活発に議会と話をするべきである。アダッジ財務相は、本を読む代わりに、議会と何時間か話し合うべきである。ディアス開発・福祉・家族・飢餓対策大臣とコスタ文官長は、その時間の大部分を議員団との会合に費やすべきである」と述べ、関係閣僚に議会対策の強化を求めた。(20日及び23日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)パイヴァ陸軍司令官は19日、「陸軍の日」の記念式典(ルーラ大統領が出席)で演説を行った際、陸軍が国家機関として、特定のイデオロギーに囚われることなく、民主主義と法治国家の擁護に努めることを強調した。(20日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(5)ルーラ大統領は22日、主に低所得層と零細企業を対象とする融資制度の導入、個人事業主及び零細企業の債務繰り延べ、中間所得層を対象とする住宅ローン等からなる「Acredita・プログラム」を発表した。(23日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

2.ボルソナーロ派

(1)ボルソナーロ前大統領は18日、「世界は、伯に於いて表現の自由が脅かされ、伯が独裁に近い形になりつつあることを知るであろう。我々は、民主主義と表現の自由を守るため、今月21日、リオデジャネイロで抗議デモを行うが、これは平和的なデモでなければならない」と支持者にデモへの参加を促す動画をSNS に投稿した。また、ボルソナーロは、「(STFと対立している)イーロン・マスク氏は自由の伝説である。伯の右派は、同氏という強力な味方を得た」と述べ、イーロン・マスク氏を絶賛した。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)21日、リオデジャネイロ市内のコパカバーナ海岸に於いて実施されたボルソナーロ派のデモには約3万人が参加した。街宣車の上部に設けられた演壇には、ボルソナーロ夫妻の他、福音派のマラファイア師及びカストロ・リオデジャネイロ州知事(PL)が登壇した。ボルソナーロは、約40分間に亘ってスピーチを行った際、表現の自由を強調し、クーデターを企てたことを否定して、昨年1月の三権襲撃犯の暴徒には恩赦を与えるべきと強調すると共に、「イーロン・マスク氏は、自由の伝説である。彼の目的は、世界中を自由にすることにある」と述べた。また、ボルソナーロは、「誰かが自分(ボルソナーロ)に対して(逮捕等)何か卑劣なことをしようとする場合に備えて動員をかけ続けて欲しい」と呼び掛けたが、連邦最高裁判所(STF)やモラエス・STF判事に対する批判は避けた。但し、その後で演説したマラファイア師は、モラエス判事のことを「独裁者」と非難し、パシェコ上院議長を「腰抜け」と罵倒した。イーロン・マスク氏は、ボルソナーロ派のデモが終了した後、「モラエス判事は、国民と民主主義にとって敵である」とXに投稿した。(22日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

 

3.地方選挙

フォーリャ・デ・サンパウロ紙の調査によると、今月5日に終了した「党籍変更期間(janela partidária)」後、主要政党の市長の数は以下の様に増減した。最も増えたのはPSDとMDBで、最も減ったのは、PSDB、PDT、Podemosである。PSD:657人→1040人。MDB:793人→916人。PP:690人→706人。União Brasil:560人→605人、PL:344人→371人。Republicanos:212人→324人。PT:182人→265人。PSDB:523人→310人。PDT:315人→180人。Podemos:219人→93人。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

4.司法

(1)米国議会下院司法委員会の共和党議員団(トランプ派)は、モラエス・STF 判事がSNSの投稿削除やアカウント停止を命じた88の決定を公表し、「伯ではSNSに対する検閲が行われているが、バイデン政権はこれに対して何の対策も講じていない」とする報告書(海外における表現の自由に対する攻撃とバイデン政権の沈黙:伯のケース)を発表した。モラエス判事は、SNS企業(X、メタ、フェイスブック及びワッツアップ)に対し、昨年1月の三権襲撃を扇動したり、伯の選挙制度を攻撃したボルソナーロ派の投稿削除及びアカウント停止を命じたことで、イーロン・マスク氏から「独裁者」等と批判されている。これに対し、STFは18日、「公開されたのは、決定ではなく、SNS企業に対する通知状である。決定の中では、憲法に従い、然るべき理由が述べられている」と反論した。(19日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)モラエス・STF判事は22日、X(旧ツイッター)が伯の司法機関からアカウント停止を命じられているユーザー(ボルソナーロ派のブロガー、マルコス・ド・ヴァル上院議員等)に対してライブ配信を認めた件に関し、5日以内に説明を行うよう、Xに命じた。(23日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

5.外交

(1)ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、フォーリャ・デ・サンパウロ紙の取材に対し、「ルーラがプーチンと会談すれば、大きな過ちを犯すことになるであろう」、「ルーラの対ウクライナ政策が変わるのであれば、大きなインパクトがある。それは、彼が本当に戦争を解決することを望み、ロシアが侵略者であることを認めたらの話ではあるが」等と述べた。また、同大統領は、「伯とアルゼンチンのサッカー代表チームが試合をして、勝った方がウクライナ代表と試合をすることになった場合、自分は、アルゼンチンを応援する」、「訪伯するつもりでいたが、招かれもしないのに訪問するわけにはいかない。もしかしたら、ルーラには別の優先事項があるのかもしれない」等と発言。(19日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)ルーラ大統領は、ポルトガルの「カーネーション革命50周年」の記念式典(今月25日)には出席しないことにしている。ポルトガル語圏で出席しないのは、伯と赤道ギニアのみ。(20日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

 

1.ルーラ政権

(1)ルーラ大統領は23日、ジャーナリストとの朝食会において、「率直に言って、政府と連邦議会の間に問題があるとは思えない。議会との間に克服できない障害は何もない」と述べ、議会との関係悪化を否定した。また、リラ下院議長と会談したことは認めたが、内閣改造の可能性については否定した(リラ下院議長は先週、パジーリャ政治調整庁長官を激しく批判した)。ルーラは、税制改革関連法案は今週中に議会に提出すると表明。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)24日、連邦議会では、ルーラ大統領の拒否権行使に関する採決が予定されていたが、パシェコ上院議長は、パジーリャ政治調整庁長官、コスタ文官長及び政府院内総務と会合を行った後、採決を5月7日~9日に延期した。採決が行われていれば、政府が敗北を被ることが予想されていたため、政府は、延期により勝利を収めた形となった。ルーラの拒否権行使は32回に上っており、その中には、「委員会枠の議員割当金(emenda parlamentar。56億レアル)」の削除、受刑者の一時出所(saidinha)廃止等が含まれる。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)連邦政府は24日、連邦議会が承認した、17業種を対象とする社会保険料の削減(desoneração)の継続は違憲であるとして、その無効を求めるための訴訟を連邦最高裁判所(STF)に起こした。「desoneração」に関しては、連邦議会がその継続に関する法律を承認した後、ルーラが拒否権を発動し、議会がこれを覆したのに対して、ルーラが暫定措置令(MP)により「desoneração」を廃止しようとしたが、議会がこれを拒否したため、現時点では、議会の承認した法律が有効となっている。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)アダッジ財務相は24日、税制改革の細則に関する憲法補足法案(PLP)を連邦議会に提出した。アダッジによると、付加価値税(IVA)の税率は平均26.5%(25.7%~27.3%)になる見込み。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

2.ボルソナーロ派

(1)連邦検察庁は23日、ボルソナーロ派のカルラ・ザンベーリ下院議員(PL-SP)とハッカーのワルテル・デルガッチ・ネトをコンピュータシステムの違法アクセスと文書偽造の容疑で起訴した。起訴状によると、ザンベーリは、司法機関のコンピュータシステムの脆弱性を指摘するため、デルガッチ・ネトに国家司法審議会(CNJ)のシステムをハッキングするよう、依頼した。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(2)モラエス・STF判事は24日、ボルソナーロ前大統領が本年2月に在伯ハンガリー大使館に2泊した件に関し、「大使館の敷地は、外国の領土ではないので、ボルソナーロが出国禁止命令に違反したことはならない。また、ボルソナーロがハンガリーに亡命を求めた形跡は認められない」として、この件に関しては問題視しないことを決定した。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ及びフォーリャ・デ・サンパウロ)

 

3.連邦議会

(1)23日、下院において、イベント業界緊急支援プログラム(Perse)の継続に関する法案が可決され、上院に上程された。Perseは、新型コロナウイルスのパンデミックにより打撃を受けたイベント業界を支援するために導入された。この法案が成立すれば、イベント業界は、2026年までに150億レアル相当の税制上の優遇措置を受けられることになる。 (24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)23日、下院憲法司法委員会(CCJ)において、農地及び都市部の不動産を不法占拠した者の処罰(連邦政府からの給付金等を受け取れなくなる等)に関する法案が可決された。これは、土地なし農民運動(MST)とホームレス労働者運動(MTST)を標的にしたものであり、アグリビジネス派、銃規制緩和派、ボルソナーロ派及びセントランの議員が支持している。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)23日、上院経済委員会において、タクシー運転手及びライドシェアドライバーの所得減税に関する法案が全会一致で可決された。現在、タクシー運転手及びライドシェドライバーの所得の内、所得税がかかるのは全体の60%であるが、この法案が成立すれば、課税所得は所得全体の20%に削減される。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(4)24日、下院憲法司法委員会(CCJ)において、銃の所持に関する立法権限を連邦から州及び連邦直轄区(DF)に移管するとの法案(カロリーネ・デ・トニ・CCJ委員長の提案)が賛成34、反対30により可決された。これにより、銃規制の緩和を主張する「弾丸議員団(bancada da bala)」が勝利を収めた結果となった。政府与党は、右法案は違憲であるとして反対している。(25日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

4.司法

(1)23日、司法高等裁判所(STJ)において、エルマン・ベンジャミン・STJ判事が次期STJ長官に選出された。任期は2年。同判事は、2006年に当時のルーラ大統領からSTJ判事に任命された。(24日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)PTとPLは22日、セルジオ・モーロ上院議員(União Brasil-PR)の当選取消請求を棄却したパラナ選挙地方裁判所(TRE)の決定に対して控訴した。控訴審は、選挙高等裁判所(TSE)で行われる予定。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

5.外交

ルーラ大統領は23日、ジャーナリストとの朝食会において、「ベネズエラの野党が大統領選に向けて統一候補を擁立したのは非常に素晴らしいことである。(ベネズエラ大統領)選挙が行われるのは確実である。伯は、招かれれば、選挙監視団に参加する」と述べた。(24日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

 

1.ルーラ政権

(1)アダッジ財務相が24日に提出した税制改革関連法案には、低所得層(一人当たりの所得が最低賃金の半分(706レアル)以下の世帯)を対象とする「キャッシュバック制度」が盛り込まれている。これが成立すれば、国民の3分の1に当たる7300万人がキャッシュバック制度の恩恵を被ることになる。例えば、電気料金にかかる税金の内、50%が払い戻されることになる。その一方で、清涼飲料水等、健康や環境に有害とされる製品には、「選択税(IS。通称「罪悪税(imposto do pecado)」が課税されることになっている。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ルーラ大統領は25日、伯農牧業研究公社(EMBRAPA)創立51周年の記念式典に出席した際、アダッジ財務相とファヴァロ農相に対し、同公社に対して十分な額の研究費を確保するよう求めた。EMBRAPAの研究プロジェクトは1千件に上り、その継続には5億レアルの予算が必要であるが、実際の予算は1.7億レアルに過ぎない。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)ルーラ大統領は25日、大統領府において、先住民の代表と会合を行った。先住民は、サンタカタリナ(2箇所)、パライバ及びアラゴアスの3州における先住民居留区の早期画定を求めた。これに対し、ルーラは、これらの州に関しては、最高裁において係争中の案件や先住民以外の住民による土地の不法占拠が発生しているため、問題の解決には時間を要すると説明し、不法占拠を解決するためのタスク・フォースを2週間以内に立ち上げることを約束した。先住民は、居留区の早期承認を求めて、ブラジリアの官庁街でデモを行っている。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(4)伯地理統計院(IBGE)は25日、昨年、飢餓に瀕した国民は、6400万人(国民全体の27.6%)であったと発表した。この割合は、2017年~2018年には36.7%であったため、5年前より改善されたが、10年前の2013年(22.6%)よりは劣る。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(5)ルーラ大統領は26日、ミナスジェライス州を訪れ、Biomm社のインシュリン工場の完成式に出席したが、ゼマ・ミナスジェライス州知事(Novo)は、これに招かれなかったとして、大統領府を批判した。これに対し、大統領府は、「イベントの主催者は、大統領府ではなく、Biomm社であり、同社は、ゼマ知事も招待した」と反論した。(27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

(6)土地なし農民運動(MST)は29日、リラ下院議長の推すジュニオール・ロドリゲス・ド・ナシメントが国家農地改革院(Incra)アラゴアス支局長に任命されたことに抗議して、Incra・アラゴアス支局の建物を占拠した。前任のウィルソン・リラ支局長は、リラ議長の従兄弟であったが、今月16日に更迭された。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(7)連邦総監督庁(CGU)は29日、ジュセリーノ・フィーリョ通信相(União Brasil)の不正疑惑に関し、「同大臣が下院議員時代に『秘密予算』を使って建設させた道路は、同大臣の所有する農場へのアクセスを容易にしただけで、近隣住民に恩恵を与えていない」との報告書を発表した。(30日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

2.ボルソナーロ派

エドゥアルド・ボルソナーロ下院議員(PL-SP)は26日、ハンガリーで開催された保守政治活動協議会(CPAC)の会合に出席し、「伯では、ボルソナーロ派の人達がありもしないクーデター計画の容疑で逮捕されている。伯では、司法府が民主主義を攻撃しており、ボルソナーロ前大統領とその支持者は、検閲の被害に遭っている」等と訴えた。(27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

3.連邦議会

(1)リラ下院議長は25日、24日にアダッジ財務相が提出した税制改革関連法案に関しては2人以上の報告官を指名し、法案は分割して審議を進めると述べた。リラ議長は、20~30名の議員が報告官に名乗りを上げていると述べたが、税制改革に関する憲法修正案の報告官を務めたアギナルド・リベイロ下院議員(PP-PB)を再び報告官に指名することは否定した。(26日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)ロマント下院倫理委員長は26日、マリエーレ・フランコ市議暗殺の黒幕として逮捕されたシキーニョ・ブラザォン下院議員(無所属―RJ)の議員資格剥奪手続の報告官にジャッキ・ロシャ下院議員(PT-ES)を指名した。手続開始から2週間後に漸く報告官が決まった。当初、報告官を決めるための抽選が4回に亘って行われたが、その度に抽選に当たった議員からは断られていた。(27日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(3)リラ下院議長は27日、連邦政府が17業種を対象とする社会保険料削減措置(desoneração)の延長や先住民の権利に関する「Marco temporal」等の法律に関してSTFに違憲審査請求を行っていることを批判し、連邦議会が承認した法律に関し、提訴を困難にするための法改正を主張した。アルキミン副大統領は29日、「desoneração」に関し、「議会が承認した法律は、削減措置の延長による減収分を補填するための財源を示していないため、違憲とされているが、行政府としては、STFの決定を待つか、でなければ、削減幅を縮小する方向で、議会と交渉することが考えられる」と述べた。(28日付フォーリャ・デ・サンパウロ及び30日付コレイオ・ブラジリエンセ)

 

4.司法

(1)ザニン・STF 判事は25日、連邦政府の訴えを受け、17業種を対象とする社会保険料削減措置(desoneração)を2027年まで延長するとの法律の効力を一部停止するとの仮処分決定を行った。これに対し、パシェコ上院議長は、「政府が、その主張を押し通すために最高裁に提訴し、政治の問題を法廷に持ち込んだことは過ちである。ザニン判事の決定は尊重するが、連邦議会として反論することにしている」と批判した。26日、STFにおいて、ディーノ、メンデス、バホーゾ及びファキンの判事4名がザニン判事の決定を支持した。これに対し、パシェコ上院議長は、STFを批判すると共に、「desoneraçãoの延長は、財政規律に反する」との連邦政府の主張に反論した。また、上院は、ザニン判事の仮処分決定に対して不服申立を行った(26日及び27日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)X(旧ツイッター)は26日、STFの命令により凍結されたアカウントにリンク先を貼ることにより、凍結を回避していたユーザーがいた件に関し、「アカウントを凍結されたユーザーは、別のユーザー(凍結の対象外)の協力を得て、凍結を回避していたので、Xには何の責任もない」とSTFに対して弁明を行った。(27日付フォーリャ・デ・サンパウロ)

 

5.外交

(1)アル・カク在伯英国大使は、コレイオ・ブラジリエンセ紙とのインタビューに応じた際、「伯は、国際社会において重要な国であり、ルーラ大統領は、グローバル・サウスのリーダーである」、「英国は、伯の環境政策を支持している」、「メルコスールとEUのFTAが難航している今、英国がその隙間を埋めることが出来るかもしれない」等と発言。 (28日付コレイオ・ブラジリエンセ)

(2)欧州自由貿易連合(EFTA。加盟国:アイスランド、ノルウェー、スイス及びリヒテンシュタイン)は、EU・メルコスール・FTA締結後にメルコスールとの自由貿易交渉を開始することにしていたが、EUとメルコスールのFTAが交渉開始から20年以上経過しても締結に至っていないことから、これ以上待つことはせず、メルコスールとの交渉を進めることにした。先月、EFTA 議員団が訪伯し、伯上院との協議、アルキミン副大統領との会合等を行い、伯との関係強化に努めた。(29日付コレイオ・ブラジリエンセ)