株式会社アルファインテル
サントアマーロは、バイーア州都サルヴァドールから西方約80km に位置する、面積493㎢、人口6 万人の都市だ。サントアマーロ・ダ・プリフィカサォンという愛称で言われることが多い。バイーア・ジ・トードス・オス・サントス湾を囲むこの地域一帯はヘコンカーヴォ・バイアーノと呼ばれている。
サントアマーロはポルトガル人入植者たちによって1557 年に村として誕生した。16 世紀から20 世紀のはじめまで、サトウキビ、タバコ、キャッサバ芋の主要生産地として栄え、1837 年にはLeal Cidade de Santo Amaro という名で市に昇格した。1847 年からサルヴァドールからの定期船が出るようになると、人の往来が激増した。1855 年にはコレラが流行し、市の人口の半数以上が亡くなった。現在のサントアマーロの主要財源は観光産業だ。古い教会や邸宅建築が多いほか、あまり知られていないが、滝やビーチなど、美しい自然の見どころもある。
サントアマーロは、1960 年代から活躍し、82 歳となった現在も第一線で活躍している国民的歌手カエターノ・ヴェローゾと妹で歌手のマリア・ベターニアが生まれ育った地として有名だ。また、カルメン・ミランダのために作られたといわれるサンバの名曲「ブラジルパンデイロ」の作者であるアシス・ヴァレンチもサントアマーロ出身だ。音楽的にこの地域はサンバ・ジ・ホーダ発祥の地とされている。サンバ・ジ・ホーダとは、サンバの起源といわれている音楽のジャンルで、ギターとパンデイロ、プラト・イ・ファカ(お皿とナイフ)などの打楽器の伴奏で歌われる歌と、独特のステップを踏むダンスが特徴だ。
年間を通じて多くの宗教的な祭りや祝いごとが開催されるが、毎年カーニバル前の1 月末から2 月初めにLavagem da Purificação という市最大のお祭りが催される。管楽器で街中を練り歩く楽団のパレードが行
われるほか、ノッサ・セニョーラ・ダ・プリフィカサォン教会前の広場にはステージが設置され、主にバイーアにゆかりのあるアーティストが出演しお祭りに花を添える。年によって変わるが、カエターノやマリア・ベターニアは元より、カエターノの息子モレーノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジルやカルリーニョス・ブラウン、エルバ・ハマーリョ、マルチナーリアなどの一流歌手たちが、1 日中ステージで無料コンサートを行う。これを目当てにブラジル全土から観光客が多く集うほどだ。