201011月号>

『ブラジルの日系人』  原田 清編著

 日本人移住100周年記念刊行書“O Nikkei no brasil”の日本語訳版。日本人のブラジル移民の歴史と、様々な問題と課題、過去と現在から将来展望に至るまで、ブラジル日系社会の多くの専門家を動員して纏められた、ブラジル日系人の歴史、現在、これからの姿を知るためには絶好の総合解説書。

(二宮正人監訳 2010 404頁 ―当協会で受託販売中 6,000円+送料。お申し込みは協会事務局へ)


『日本語 ブラジル・ポルトガル語辞典』 日向ノエミア

 五十音から引く日常生活に必要な33,000のブラジル語を収録。豊富な用例と日本文化理解を助ける解説などの工夫により、在日ブラジル人との日常のコミュニケーション、「共生」に有用。
(三省堂 20109月 857頁 2,800円+税)

『うつろ舟 ―ブラジル日本人作家 松井太郎小説選』松井 太郎

 還暦引退して小説を書き始めた一世による、ブラジル日系社会の縁や辺境で生きる日系一世・二世の姿を描いたコロニア文芸の傑作中短編集。
(西 成彦、細川周平編  松籟社  20108 327頁  1,900円+税)

『最後のアマゾン/天野尚写真集』 天野 尚

 アマゾンの貴重な生態系が失われつつある地球環境の崩壊と先住民の姿を撮り、地球に残された“最後の楽園”の姿を少しでも多くの人たちに知って欲しいという意図を強く訴える写真集。
(小学館 20107月  199頁  3,619円+税)

『アマゾンからの贈り物 -矢毒クラーレの旅』 天木嘉清

 先住民の矢毒の発見の歴史、毒の仕組み、近代医学で麻酔剤としての活用法発見に至るまでを、麻酔専門医学者が分かりやすく解説。
(真興交易医書出版部 20104月 207頁 2,000円+税)

『ロスト・シティ Z -探検史上、最大の謎を追え』 ディビット・グラン

 英国の軍人にして20世紀前半にアマゾン源流地帯に先史文明の痕跡を求めた探検家フォーセットの生涯とその失踪、著者を含む幾多の捜索隊を追った歴史ノンフィクション。

(近藤隆文訳 日本放送出版協会 20106月 338頁 2,200円+税)


『ガリンペイロ(採金夫)体験記 アマゾンのゴールドラッシュに飛び込んだ日本人移民』 杉本 有朋

 49歳にしてパラー州カラジャスでの金掘りの世界に身を投じた6年間の記録。この世界のルールや仕来り、人間関係、周囲の自然、行政、警察、政治家など、ブラジルのこの世界の裏が見て取れる。

(近代文藝社 318頁 20108月 1,700円+税)


2010 9月号>

『ブラジル日本移民百年の軌跡』 丸山 浩明編著

 10人の研究者による移民研究史、移民・日系社会史、資料概要。
(明石書店20107 350 4,500円+税)

『レアル・ブラジル音楽』 ウィリー・ヲゥーパー

 音楽史と21世紀最新音楽情報、その背景と関連情報のガイド。
(ヤマハミュージックメディア 20108 239 2,000円+税)

『ブラジルの日系人』 原田 清編著

 移住100周年記念刊行書“O Nikkei no brasil” の日本語訳版。
(二宮正人監訳 2010 404頁。サンパウロのニッケイ新聞社で入手可能、70レアル)

『三井のアルミ製錬と電力事業』 宮岡 成次

 アルブラス、アルノルテのアマゾンアルミ事業の中核となった三井アルミ企業史。
(カルス出版 20106月 249頁 1,905円+税)


2010 7月号>

『アマゾン 民族・征服・環境の歴史』 ジョン・ヘミング

 1500年に河口にスペイン人が到達して以来、宣教師が入りヨーロッパ人による奴隷狩り、先住民の抵抗、博物学者の活動、ゴム・ブームとゴム採取人の悲惨、ブラジルのロンドン大佐による探険、考古学上の初期先住民文化の発見の歴史とともに、近代以降の開発による広範囲な環境破壊問題、世界最大の水系であるアマゾンの多様な生物資源を指摘している。著者はカナダ生まれ英国で活躍するアマゾン探険実績豊富な歴史家。

(国本伊代・国本和孝訳 東洋書林 20105 519頁 6,500円+税)

『現代日葡辞典(コンパクト版)』 ジャィメ・コエーリョ、飛田良文編 

 1998年の同書のコンパクト完全縮小版。ローマ字を付した見出し約47千語、小見出しまで入れると約7万語を収録。初心者から上級者まで、日本語を習得するために適切な教材を持たないポルトガル語話者の要望にも応えた、使う人のことを考えたひき易い辞書である。用例が豊富で、慣用・口語表現、句用例を広く収録している。

(小学館20105 1461 3,800円+税)

『マンガ 平生釟三郎 正しく強く朗らかに』平生漫画プロジェクト

 東京海上火災保険や川崎重工、日本製鉄などの経営に腕を振るったほか、甲南学園の創設やブラジルとの経済交流にも尽力し、当協会の理事も務めた平生の伝記の漫画化。本誌11頁のエッセイ参照。
(幻冬舎20103 166 1,200円+税)

『コーヒーのグローバル・ヒストリー 赤いダイヤか、黒い悪魔か』 小澤卓也

 石油に次ぐ巨大市場を形成する一次産品であるコーヒーの歴史から輸出農産品としての特色、コーヒー生産がブラジル等のラテンアメリカ近代化への影響、そしてコーヒー消費国の諸相と一大消費国である日本での歴史とコーヒー文化の特色を、ラテンアメリカ近現代史専門家が世界視点から整理。

(ミネルヴァ書房 20102 332 3,000円+税)

『新興国ブラジルの対外関係世界金融危機を踏まえて』 国際貿易投資研究所

 国際金融においてもG20などの場で新興国、主要開発途上国のリーダーとしてのブラジル外交は目覚ましい。近年のブラジル外交の動向を専門分野の異なる6人の研究者が分析したもので、大きく国際的影響力を増したブラジルの対外関係を知る上で、それぞれに興味深い。

(国際貿易投資研究所 20103108
2,000円 送料無料 申込電話 03-5563-1251 メール
itipost@iti.or.jp


 2010 5月号>

『ゴキブリ経営法 ―激動のブラジル社会で生き残った「しぶとさ」』深田 毅二

 菓子メーカーを設立、経営してきた体験から、ブラジルでの中小企業の地を這う商売の実態、数々の危機を乗り越えてきたしぶとい処世術と経営のコツを詳述。
(K&Kプレス 20102 167頁 1,200円+税)

『ラテンアメリカ世界のことばと文化』  畑 恵子・山崎眞次

 ラテンアメリカの言葉と文化について、様々な切り口からの21本の論考を集成。ブラジル社会の多様性、ブラジルで進化をとげつつあるポルトガル語など。
(成文堂 20097372 3,000円+税)

『ラテンアメリカン・ディアスポラ』 駒井 洋監修 中川文雄、田島久蔵、山脇千賀子編著

 ラテンアメリカ6カ国人の国際移動を分析。ブラジル人の国内、隣国、海外への移動の変遷、日系人の精神史、在日ブラジル人の表現活動、宗教生活を取り上げている。
(明石書店 20101月 294頁 5,000円+税)


 

2010 3月号>

『ブラジルを知るための56章【第2版】』 アンジェロ・イシ

 8年前に出て好評だったエリア・スタディーズ・シリーズ本の改訂版。ブラジルの現在の理解、その魅力、矛盾の解読、神髄を堪能する56の小解説は、どれも示唆に富んでいる。筆者は在日一世を自称する日系三世。
(明石書店 20102 2662,000円+税)

『南へ ―高知県人中南米移住100年』  高知新聞社編集局

  ブラジル各地での同県人移住者の汗と涙の人生から何かを学びたいと取材した連載の集成。“移民の父”といわれる水野龍の足跡も辿っている。
(高知新聞社 200911 269 1,524円+税)

『ジャポネース・ガランチード ―希望のブラジル、日本の未来』
 丸山 康則

 本誌20089月号12頁で紹介した『ブラジル百年にみる日本人の力』の続編。政界や農業等様々な分野で活躍する日系人とのインタビュー。
(モラロジー研究所発行・廣池学園事業部発売 20101 351 1,700円+税)

『ブラジル紀行 バイーア・踊る神々のカーニバル』
 板垣 真理子

 ジャズを撮る写真家がナイジェリアからブラジル東北部へと関心を向ける。アフリカの伝統と音楽を今も受け継ぐバイーアの探訪記。
(ブルース・インターアクションズ 200910月 319頁 2,500円+税)

『ブラジル技術移住者が見た世界』  山口 正邦

 大学卒業後30歳で移住した化学技術者が、サンパウロ新聞等に寄稿した仕事・生活体験とブラジルや南米各地の見聞のエッセィ集。
(柏企画 20095月 281頁 1,800円+税)


2010 1月号>

『ブラジルバレーを最強にした「人」と「システム」』米虫 紀子

 今年7月のバレーボールの世界ランキングは男女ともブラジルが1位であるが、その理由を選手育成法、練習法に探り、背景としてのブラジルのバレー事情を解説している。
(東邦出版 200911 203
1,500円+税)

『図解 ブラジルの練習 南米の強豪クルゼイロに学ぶ』 下田哲朗著 A.P.マリーニョ監修

 世界各地でプレーするブラジル人選手は日本人選手に比べ桁違いに多い。その違いは選手育成法にあるとして、ミナスジェライス州ベロオリゾンテに本拠を置くクルゼイロでの指導法を紹介し、日本向けの練習を図解と写真で明らかにする。

(東邦出版20098 189 1,500円+税)