新東工業ブラジル  ブラジル事業創業 41 周年

ブラジル特報 2014年7月号より
伊藤直樹 <シントー・ブラジル・プロドゥトス㈲顧問>

初期の苦闘
 1934 年の創業以来、鋳造事業を中核として表面処理分 野や環境関連分野においても事業展開してきた親会社、新 東工業㈱がブラジルとの関係を開始したのは 1957 年のこ とでした。当時ブラジルへ進出した日系企業向けに鋳造プ ラントの輸出販売したことを皮切りに、1960 年代、70 年 代は、同様に鋳造プラント、金属表面処理設備の輸出を継 続し、ブラジル向けのビジネスを拡大して来ました。
そうした輸出販売から合弁方式による現地生産体制への 事業展開を決断したのが、1974 年 8 月のことでした。提 携先である米国 Wheelabrator 社のブラジル法人に資本参 加を行い、合弁事業の共同運営を開始することになりまし た。
しかしながら、1980 年代は中南米諸国全域に広がる 累積対外債務問題の苦境の時代に突入し、ブラジルの鋳造 業界も淘汰の時代となり、合弁事業も厳しい運営を余儀な くされました。この逆風の時代にもかかわらず、1982 年 新規事業に取り組む判断を下し、安定した収入源となる投 射材(STEEL SHOT)の工場が、月産 500 トンで生産 を開始しております。その後マイクロショットの設備も導 入され、今日の拡大発展の礎となりました。 1994 年にレアル・プランが導入されたおかげで、ハイ パーインフレの抑制に漸く成功しましたが、パートナー である米国 Wheelabrator 社の資本撤収が決定されたため、 全額を新東工業グループで買収し子会社化しました。新東 工業の技術支援をベースに鋳造機械設備、金属表面処理機 のラインアップを拡充して、お客様の各種ニーズへの対応 力を増強しました。
更に、1976 年より稼動を開始した鋳造工場のてこ入れ も実施され、ショットブラストのインペラーライナー用に 生産を開始した耐摩耗性鋳物部品(ロングライフ)はブラ ジル特有の鉱山市場の成長に合わせて、大型ローダーバケ ット用部品、破砕機械用部品としての新規応用に成功し、 生産販売量は飛躍的に拡大しました。鉱山採掘や建設現場 で使用される重機の補修部品の分野へ拡大されています。

追加投資
 当国の投射材市場では多くの競合メーカーによる厳し い競争が展開されていますが、弊社は追加投資を決断 し、2008 年 7 月にサン パウロ市の北 84KM に あるアチバイア市に工 場用地を確保しました。 2010 年には土地造成工 事が開始され、2012 年 2 月に最新鋭の投射材工 場の拡大操業が開始され ました。国内販売のみならず、南米諸国向けへの輸出販売 も拡大し、中核的な事業に成長しております。

創業 40 周年を迎えた昨年 2013 年 8 月、弊社のアゼヴ ェード社長より発信したメッセージのなかで事業内容がよ り具体的に述べられていますので、ここから最近の取組み についてご紹介させていただきます。

  1. サンパウロ本社工場、アチバイア投射材工場に加え、 エスピリトサント州の花崗岩採掘地域の中心に販売拠点を 設置して、STEEL GRIT の在庫販売を展開しております。 サンパウロからのリードタイム平均 3-4 日は 1 日に短縮 され、お客様からの緊急発注に対応した即納体制が確立し ました。
  2. 技術部門での効率化改善策として 3D ワークステーシ ョンが導入されました。 高性能 3D ワーステイション   7 台 複合組立用 3D ワークステイション 1 台 3D 設計のデータ管理サーバー  1 台
  3. 機械加工工場への工作機械の追加導入 金枠加工用に高性能CNC SHOT破砕用ローラー製造のための縦旋盤

新東工業ブラジルサンパウロ本社入口

最後に
 南米の大国ブラジルの中長期的な発展の潜在国力は間違 いなく高いと確信していますが、BRICSブームの後退 は既に広く指摘されています。来る 10 月の大統領選挙で 誰が勝利しても、次期政権による経済運営、富の分配の軌 道修正、調整は待ったなしの環境と思われます。

予見が出来ない政治的決断を伴う調整となる可能性が高 いと思われますので、企業運営については、絶え間ない工 場現場での改善運動、コスト削減運動、積極的な新製品開 発、積極的な営業活動とリスク管理のバランス感覚が要求 される時期とも考えられます。

私ども、シントー・ブラジル・ プロドゥトスは、創立50周年へ向けて、益々お客様に信頼されるパートナーとしての発展を追求して参ります。

アチバイア工場全景