4月26日付ブラジル「フォーリャ・デ・サンパウロ」紙は、「ペトロブラス大売出しにやってきた中国」と題する社説を掲載したところ、概要以下のとおり。

 

1.ペトロブラスの危機は、世界のエネルギー市場におけるビジネスチャンスのシーズンを開幕させた。米国や欧州の企業にとって、これが贈収賄や危険な関係に蝕まれたものであることをペトロブラス汚職捜査が示した。中国にとっては、これらのリスクはごくわずかなものである。中国は、既にブラジルの最大の貿易相手国であり、石油を必要としており、また、南米にプレゼンスを拡大しようとしてきている。先日、中国はペトロブラスに対し35億ドルの融資を行った。

 

2.このことは、良い状況をもたらすはずであったが、ブラジル政府は、中国との交渉において、マーケティングばかりを考慮して非効率な形で交渉を行っている。2004年には、胡錦濤国家主席(当時)の訪伯時、「貿易の約束」を「投資の宣言」と取り違えた。2011年には、ルセーフ大統領は中国を訪問し、その同行者は、フォックスコン社が6年にわたり120億ドルを投資し、iPhoneとiPadをブラジル国内でより安価に生産することを発表した。実際には、それから4年が経過し、フォックスコン社はインセンティブと土地の供与による恩恵を受けたが、投資額は20億ドルにも満たず、iPhoneとiPadを生産してはいるものの、ブラジル人にとって、それらは引き続き世界で最も高い価格である。

 

3.中国政府及び企業と交渉した者の教訓は、「中国は、彼らが求めるものを知りながら交渉のテーブルに着く。我々は、我々が何を求めるのかすら知らずに交渉のテーブルに着く。」というものである。ブラジル政府は、既にルーラが「イデオロギー的決定」と呼んだものを経験していた。エスピリートサント州とバイーア州間の千キロのガスパイプラインプロジェクトにおいて、ペトロブラスと中国企業を結び付ける決定を行ったが、相手方は幽霊企業であった。

 

4.最悪なのは、ペドロ・バルスコのような石油コミッショナーと周永康と類似の中国の権力者が手を結ぶことである。周永康は、中国の最高権力者の一人であり、石油から自身のキャリアを開始した。周氏は間もなく法廷送りにされると見られており、また、同氏の息子は収監されている。ペトロブラスは、汚職による損失を62億レアルと見積もったが、中国政府は、既に周氏及び同氏の家族、共犯者から145億ドルを押収している。