南米で初めてのオリンピック、どんどんお越しください。
この機会に、将来の有望国ブラジルを見知っておきたい人におすすめ。アジアの一部の国にみられるような反日の運動はブラジルにはない、これは移民に始まる日系百数十万人が在住するおかげで、その意味で将来の安全投資先ですね。
関係者に叱られそうですが、一般の観光旅行者には、オリンピック開催期間中は宿泊施設や交通手段の不備や治安や情報の悪さなど快適ではないこともあります。ブラジルに初めて訪れる人が知っておくべきこともお伝えしたい。
競技場の工事状況は遅れており、心配する人もいるが、政府の追加予算獲得のために、わざと工期進行を遅らせるのは、ブラジル人の常とう手段で、ぎりぎりになんとか間に合わせる特殊能力があるのです。
現在競技施設は80％完成(文末：オフィシアル・サイトの数字と写真参照)ですがIOCの監督で競技場の運営は問題ないでしょう。周辺施設工事は完成が少し遅れるかもしれませんね。
ガレオン空港の拡張は、第3ターミナルの骨組みができても、空港の内装には時間がかかるから機能するまではいかないでしょう。空港施設業者インフラエロは、これまでも、サントス・ヅモン国内空港をパンアメリカン・オリンピックのために拡張工事、間に合わず。ガレオン第一ターミナルのワールドカップのための拡張工事、間に合わず、と平気で納期を遅らせた前例があります。今回も間に合わないだろうと言われています。だが遅れても必ず完成するから、地元にとっては、オリンピックのおかげで建設できたという結果になるでしょう。
道路の新計画はなくて、拡張工事はニーマイヤーの海岸絶壁線や、サン・コンラッドからバッラへの海岸線の二車線拡張などで突貫工事をしているが、崖っぷちの工事でトンネル(写真)や難所もあるから間に合うか疑問視するむきがあります。
2010年に始まったメトロのイパネマからバッラのジャルディン・オセアニコへの4号線の延長工事は、イタニャンガ・ゴルフ場へ向かう道路の右手の崖に、吊り橋がかからないと、バッラに乗り入れができないが、現在橋げたの工事中(写真)、これからロープを張って橋を架けて、線路を敷設、果たして間にあいますか。
ジャルディン・オセアニコ駅の工事は着々と進んでおり、BRT（バス高速輸送サービス）はジャルディン・オセアニコからバーラのCOB(ブラジル・オリンピック委員会)の前を通ってアルボラーダへ向かう線と、オリンピック会場地区からアヴェニダ・ダス・アメリカス間の突貫工事をしています。こちらはオリンピックに間に合うでしょう。
巨大なホテルが建つ情報はないから高級ホテルの客室の絶対数は不足しています。豪華客船などを臨時ホテルに使うでしょうが、一泊で一週間の料金を払わされることもあるので、国内のホテル料金には注意です。IOCは4万室必要としていますが、最近フランス資本のACCORなどの、安価な料金変動のビジネスホテルが増えており、数あわせはできる状況になっているようです。なお部屋に電話はなく、ポーターもいない、満室状況により料金が日ごとに変動し、高級ホテルなみの料金の日もあるので注意、またホテル内の換算レートというのがあって、銀行が3.5レアイスのときホテルは3レアイスとか、10％から15％割高になる。これは為替決済時に11％徴収される基金と称する準売上税があるためです。ホテル予約の時点で換算レートもしっかり確認する必要があります。
交通は新道路がほとんど建設されていないので、期間中は従来の幹線道路の一車線をオリンピック専用道路にして、送迎バスや関係車両、タクシーなどを通すでしょうが、その分一般車は大渋滞を起こすことになり、通行止めなどもあって、地元の人の車で案内はあまり期待できないことになります。
一般的な旅行者への注意として、リオの物価はホテル、タクシー、食事など日本より高い。水道水は飲めない。交通信号は守られないし、交通標識も完全ではないから、レンタカーなどの使用はおすすめしない。歩行者は青信号でも左右よく見て横断の必要があります。ひったくり被害もあるから、たとえ相手が子供でも気を抜いてはいけません。
２０１５年９月
ヤコン・インターナショナル 山下 日彬氏
競技施設の工事進行状況とその写真
Arena Carioca 1: 92%
Arena Carioca 2: 94%
Arena Carioca 3: 95%
IBC: 96%
MPC: 88%
Hotel: 83%
Velódromo: 65%
Centro de Tênis: 74%
Arena do Futuro: 87%
Estádio Aquático: 89%
Vila dos Atletas: 91%
Campo de Golfe: 98%
2024年11月号
