ラモス移住地は、サンパウロより南へ約750km、サンタカタリーナ州の中心部に位置し、標高は900m、四季があって日本の香りのある山里だ。直近の町は、人口4 万人のクリチバーノス市で、移住地から20km のところにある。
今年で入植51 周年となり、今までりんご「ふじ」、「日本梨」などの果樹、またニンニクや高原野菜といった農作物生産のパイオニアとして地域社会の農業に貢献してきた。
日伯文化協会では30 年前より「さくら公園」を造成しており、山桜、雪割桜、つつじ、ふじ、などが、会館を囲むように20ha ほど植えられている。毎年9 月のさくら祭りには大勢の人に花と食べ物と催しを楽しんでいただいている。また、移住地内には長崎で被爆した移住者達が、州の協力を得て作ったモニュメント、平和資料館があり、長崎より贈られた平和の鐘、パネルも見学できる平和公園がある。2015 年12 月12 日には「長崎を最後の被爆地とする誓いの火」が長崎より贈られ、大勢の市民が見守る中、分灯式が行われた。一般の人をはじめ州内各地の学生の平和教育に大いに利用されている。また、移住地は剣道が盛んでブラジルでは唯一の剣道専用道場があり、40 年前より現在まで青少年の人格形成、村の団結、誇りとなって、村の精神的なバックボーンになっている。3 年に一度の世界大会には毎回出場しており、ブラジル代表として個人戦では準優勝一回、団体戦では常に上位に入っている。また合同稽古、合宿なども行い、遠く他州からも剣士が集まる。
今後の移住地の産業として、気候的に恵まれた緑茶栽培を準備中である。将来はお茶の里にしてゆ
く考えだ。すなわち、将来はお茶フェスティバルなども行い、緑茶の良さをアピールしたい考えだ。
尾中弘孝(セルソ・ラモス日伯文化協会会長)