安倍首相ブラジル訪問のハイライト
山田彰・前中南米局長よる首相同行報告

2年8ヵ月に及ぶ対中南米外交の責任者としての任務を全うされた山田前局長は、外務省きってのラテンアメリカ通としても知られるが、安倍総理による中南米訪問(7月25日~8月4日)がもたらした大きな成果について、今回はブラジルに的を絞り、表裏両面のエピソードも適宜交えつつ、機知に富んだスピーチを自在に展開されたので、90名もの講演参加者は文字通り清聴することと相成った。
総理大臣による中南米訪問は、10年ぶり(前回の小泉元総理による訪問は2004年)であり、今回は5か国(メキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリ、ブラジル)の首脳陣との忌憚なき意見交換を行い、伝統的な友好関係をベースにした上で、個人的信頼関係をも強化できたのは、外交的にも経済的にも飛躍的成果といえる。中南米政策に関する三つの指導理念「ともに発展し、ともに国際社会に貢献し、ともに啓発しあう」を集約した、“Juntos(ポ語で、ともに、の意)”をキーワードとして、総理自らが複数の場面で積極的に働きかけを行った点が、今回の特徴だ。
経済面ばかりか安全保障・国際場裡面、人的交流(とりわけ日系社会との交流強化)やスポーツ面でも学術面でも、「戦略的グローバル・パートナーシップ」構築に向けた具体的深耕が明確になった。

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