演 題: カメラが見たブラジル
講 師: 写真家 田中克佳氏
米国ニューヨークに居を構え、フォト・ジャーナリストとして米国の様々な社会問題を取材したり、バレエ・舞台芸術の撮影でも出色の活躍を続ける田中氏が、ブラジルに“恋焦がれて”通うこと10数年、その素敵な薀蓄話を披露していただけた1時間半となった。
講演者
カメラマン 田中克佳氏
報道写真家の心構えイロハ“Be there”(現場にいる)のブラジル的事例経験を重ね、さらに関連文献(とりわけ、エルマノ・ヴィアナ『ミステリー・オブ・サンバ』を愛読)にもあたった結果、ブラジルを理解するためには三つのキーワードがあると確信するに至る。
①アフリカ②捏造③混合、である。
400万人といわれる世界最大の黒人奴隷輸入国のなかでもアフリカ的要素が一番濃いバイーアのサルヴァドール。アフロブラジル宗教であるカンドンブレであれ、アンゴラルーツの武術的舞踊カポエイラであれ、バイーアはアフリカ文化が日常そのものだ。
1888年の奴隷解放によってバイーアからリオに流入した元奴隷たちからサンバが生まれ、1930年代以降ブラジル的アイデンティティを政治的にも文化的にも確立したヴァルガス大統領によって、サンバが国民音楽に昇格した。
つくられたナショナルアイデンティティだから、捏造というタームだ。第三の混合とは、多くの移民によって人種・民族が混ざり合ってきたことを意味する。
日系社会の諸相(リンスでは非日系人が日本人以上の演歌を披露)、笠戸丸移民の最後の生き証人中川トミさんを取材した思い出、などを写真とともに語りながら、ブラジル社会は、絵の具のパレットの如く人種が多彩であり、混ざり合いつつ原色も残している、と。
ともあれ、ブラジルはなんとも魅力が詰まった国だ。
日 時 | 2015年2月12日(木) 12:00~14:00 ※12:00~講演開始、12:45~ビュッフェで食事となります。 |
会 場 | シーボニアメンズクラブ 住所:東京都千代田区内幸町2-1-4日比谷中日ビル1F http://www.seabornia.co.jp/mhtml/access.html 電話:03-3503-6301 交通:地下鉄 千代田線「霞が関」駅C4番出口 徒歩2分 都営地下鉄 三田線「内幸町」駅 A7番出口 徒歩3分 |
講 師 | 写真家 田中克佳氏 |
演 題 | カメラが見たブラジル |
参加費 | 会員3,500円 非会員4,500円 (当日会場にて領収書と引き換えに申し受けます) |
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