演題:サンパウロ、ベレン、ブラジリアでの駐在から見えてきたブラジル政治経済
講師:外務省南米課 大岩 玲 事務官

 

大岩事務官

大岩事務官

大岩氏は、ジェトロ・サンパウロ事務所調査部長を経て、外務省に転進、ベレン領事のあと在ブラジル大使館政務班一等書記官、とのべ9年間のブラジル駐在を終えて、今年7月から本省中南米局南米課事務官として活躍中である。この駐在経験から見えてきたブラジルについて個人的意見を縦横に語っていただいた。

 

まず、2007年から2016年まで、主な政治経済関連出来事を簡単に振り返りたい。2007年第二期ルーラ政権が発足したが、7月のサンパウロ・コンゴーニャス空港での墜落大惨事(199名死亡、滑走路整備不良が一因)、7月のモザンビーク大統領訪伯(今思えば、ルーラ元大統領による賄賂スキームの第一ステップ)が、時代を画したファクトといえる。2008年は、日本移民百周年、通貨レアル高のピーク、2010年は経済(GDP)成長率7.6%、2012年は、汚職スキームその1のメンサロン事件、2013年はサッカー・コンフェデ杯に並行して反政府デモが広範化、2014年はルセーフ大統領僅差で再選、2015年は、経済マイナス成長へ、ペトロブラス(石油公社)構造汚職の発覚、司法の行動強化、2016年は、造船事業より日系企業三社が撤退、大統領弾劾、とざっくり現代史をみた。

oiwa_02 2007年~2011年のジェトロ・サンパウロ時代は、製造業を主体とした新規参入希望企業が多数訪問、在米の日系企業の南米をみる目が変化、ブラジル国内消費・需要の大きさに目を見張った時期。2011年~2014年のベレン駐在は、日系社会との関係構築に注力したが、アマゾンという地方の魅力を“満喫”したと同時に、中国のプレゼンス拡大を実感した。また、ロジスティック(物流)面で、穀物ではサンタレン港、アルミではバルカレーナ港の重要性を再認識した。2014年~2016年7月のブラジリア勤務では、政治の混迷が、恐怖の「直前ドタキャン」(ルセーフ大統領に限定せず)を頻発させ、ブラジル外務省員の士気が低下し、外交についても大統領府と外務省間の溝が深まった。こうした“膠着状態”の際、お世話になったのが日系議員の力であり、テメル(暫定)大統領になってからはレバノン系の力も有力になってきた。また戦う司法官僚によって司法の独立が際立ってきている。

今年7月から本省勤務となったが、ここからブラジルを“俯瞰”すると、ブラジル社会は冷静さを取り戻してきており、テメル政権が進めている“軌道修正”(痛みを伴う改革)への期待感が高まっている、といえる。景気が回復し、かつ、ブラジルのビジネス環境も改善するか、時間はかかるだろうが期待している。

サンパウロでもベレンでもブラジリアでも、多くの企業家、ジャーナリスト、政治家と付き合うことになったが、真剣に国の経済や政治を考えている優秀な人材ばかりで、この人的資源こそがブラジル最大の資源だと思っている。

日  時
2016年10月14日(金)
14:00-15:30(13:30受付開始)
会  場 虎ノ門法経ホール
東京都港区西新橋 1-20-3虎ノ門法曹ビル B1F

[JR山手線・京浜東北線・東海道本線「新橋」駅 日比谷口・・徒歩7分、東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅 1番出口徒歩5分、都営三田線「内幸町」駅A3出口 徒歩3分]
会  費 個人会員 1,000円
法人会員 2,000円
お申し込み 下記フォームよりお申し込みください。
お問合せ 日本ブラジル中央協会 事務局
担当:宮田、上条
info@nipo-brasil.org