世界10位以内のブラジル
1992から集計しているが、最初は、サンパウロ総領事館経済担当領事であった、中江章浩氏の著書「vale a pena lutar pelo brasil」の編集をお手伝いしたときの巻末付録であった。まだExcelが漢字を受け付けず、Internetもつながらない時代で、集計は大変な作業であった。
項目は今回が242で一番多い。データの年にばらつきはあるが、ブラジルの実力を知り、最適投資分野を発見するのにお役にたつと思う。
昨今の、不安な世界情勢を見て、あらためて、ブラジルは、世界のいかなる紛争地域よりも遠いことに注目している。さらに、日系人が150万人居住する親 日国であり、自由資本主義を共有する、もっとも安全な投資対象国である。
2015年以後のレアル安で、国民総生産はかなりランクを落としたが、IMF予想で、2020年には購買力平価値(PPP)のGDPでは、1位中国、2位米国、3位イン ド、4位日本、5位ドイツ、6位インドネシア、7位ロシア、8位ブラジル、9位英国、10位フランスとなり、新興国が躍進するが、ブラジルもその中に 入っている。
最近はMITI-Vすなわち、マレーシア、インド、タイ、インドネシ ア、ベトナムの時代になるといわれだしたが、ブラジルが将来も10位内にとどまるには、教育、インフラの整備、税法、労働法、金利高などの体質改善が急務であろうが、国としてスポーツ大国をめざすとか、世界にアナウンスできる独自の目標設定が必要で、社会面、ソフト面で日本が協力できる分野も多いと思う次第である。
世界一位のみを列記すると:
- ニオブ鉱埋蔵量
- ニオブ生産
- 淡水資源
- 家畜頭数
- 生鮮牛肉輸出
- コーヒー豆生産
- コーヒー豆輸出
- 大豆輸出
- サトウキビ生産
- トウモロコシ輸出
- サイザル生産
- 葉たばこ輸出
- 粗糖生産
- 砂糖(分蜜糖)生産
- 砂糖輸出
- オレンジジュース生産
- オレンジジュース輸出
- マーガリン生産
- 税務手続き年間所要時間
- マイアミへの観光旅行者数
- 防弾乗用車数
- 落雷頻度
- Jリーグ外国人選手数
- Jリーグ歴代外国人選手出身国
- ワールドカップ出場回数
- ワールドカップ優勝回数
リオに住み、オリンピック後の状況を鑑みるに、ブラジルは、スポーツ大国に特化するとよいのではの見方が広まった。汚職に明け暮れする商工業よりも将来性があるかもしれない。非常に興味あるのは、データが世相に反映していて、今話題の、品質管理手抜きの生鮮肉輸出は、輸出量が急増して、検査機能が対応できなかったともいえる。
数字は2006のものだが、外債問題であえぐギリシャが、ブラジルと1,2位を争うのは、実におかしい。
淡水資源世界一は、今の地球で、重要な資源だと思う。サトウキビ・エネルギーも注目すべきブラジルの力。
複雑税制は世界一、ICMSだけでも各州に電話帳のような規則があり、それの維持にたずさわる、税理士、経理士、弁護士、政治家などの数は大変なものと思われる。税制改革が掛け声だけで、進展しないのはこのためか。
OECDの56か国で、ワースト4位、科学や数学の知識は、環境汚染や、人口問題などを議論する基礎になるので、年々少しも好転しないのは危機的である。
以下3件は、ブラジルが日本を抜いたことに注目。