会報『ブラジル特報』 2010年9月号掲載

在日ブラジル商業会議所会員企業の紹介(第5回)


 近年、世界におけるブラジルのプレゼンスが高まっていますが、ブラジルの銀行についてはまだあまり知られていないのではないでしょうか。中国の銀行とともにブラジルの金融機関はいまや時価総額で世界の上位にランクされるようになっており、世界の金融機関の勢力地図も変貌しつつあるようです。ブラジルの最大の民間金融機関であるイタウ・グループについて、この紙面をお借りしてご紹介申し上げます。

イタウ・ウニバンコ本店ビル群

イタウ・ウニバンコ・ホールディングの誕生

2008年11月、バンコ・イタウ・ホールディング・フィナンセイラとウニバンコ・ホールディングは、ブラジル中央銀行の正式認可を受け統合し、イタウ・ウニバンコ・ホールディングが発足しました。これにより、ブラジルに南半球で最大、時価総額で世界10位に入る規模の総合金融機関が誕生したことになります。この持株会社の下にはリテール銀行である弊イタウ・ウニバンコ銀行、ホールセール銀行であるイタウBBA銀行が存在します。

2009年12月期
イタウ・ウニバンコ・ホールディング業績
1ブラジル・レアル=52.91円換算)

・総資産: 6,083億レアル(約32.2兆円)
・純利益: 101億レアル(約5,344億円)
・顧客預金: 1,908億レアル(約10.1兆円)
ROE (株主資本利益率): 22.3%
・時価総額: 1,751億レアル(約9.3兆円)第9位(日本経済新聞2010年4月5日)
・支店・出張所数: 4,891店舗
ATM数: 32,733台
・従業員数: 103,835人
・上場証券取引所: サンパウロ、ニューヨーク、ブエノスアイレス

サンパウロ本店

80年を超える歩み
1924年 ウニバンコの前身がミナス・ジェライスで創業
1945年 イタウの前身銀行がサンパウロで創業
1960年代〜2000年代 ブラジル国内の民間銀行との合併により急成長
2002年 バンコ・イタウ・ホールディング・フィナンセイラ(持株会社)を設立
2008年 イタウとウニバンコとが合併

 イタウは、創業以来80余年にわたりブラジルにおいて最大規模の金融機関のひとつとしての役割を担ってまいりました。社名「イタウ」は先住民トゥピ・グァラニ語族の言語から派生しており、「黒い石」という意味を持っています。

1960年代から80年代にかけて、ブラジル国内の民間銀行との合併により急成長を遂げました。また、いち早く総合金融機関として名乗りをあげ、システム開発を重点的に行い、ネットワークを通じてお客様に利便性を提供しております。
1990年代に入ってからも事業拡大はとどまることなく、1995年にはバンコ・フランセス・エ・ブラジレイロ(BFB)を獲得することによって、プライベートバンキング部門を確立させます。また、カルドーゾ政権時代、民営化政策の波に乗り、リオデジャネイロ州立銀行、ミナスジェライス州立銀行、パラナ州立銀行、ゴイアス州立銀行買収に成功します。
お客様の多様なニーズに応えるべく、伝統的な銀行商品のみならず投資信託、証券売買、クレジットカード、保険、個人年金等多岐にわたる商品を提供しています。なお、ブラジルでは日本とは異なりユニバーサル・バンキング制を採用しており、ひとつの金融機関が銀行業務および証券業務を同時に行うことができます。「南米最大のブランド力」を活かし、ブラジルの市場では際立った存在感を示しています。プライベート・バンクの先駆者としての地位も確立し、富裕層向けのサービス(イタウ・ペルソナリテ)はもちろんのこと、融資、クレジットカードによる資金調達のご相談を承っており、すべてのお客様のニーズにお応えするべく業務を行っています。

イタウBBA銀行はブラジル最大のホールセール銀行で、ブラジル国内の約2,000の大手企業グループへの金融・投資銀行業務を提供しています。
イタウ・グループは世界に拠点を整備しつつあります。日本においてはイタウ・ウニバンコ銀行東京支店、イタウ・アジア・セキュリティーズ、イタウ・ジャパン・アセット・マネジメントが拠点を開設し活動を行っています。

世界に広がるネットワーク
 海外拠点(支店・駐在員事務所): アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、英領ケイマン諸島、ナッソー、米国、ポルトガル、ルクセンブルク、英国、日本、中国

海外拠点

持続可能なビジネス

イタウ・グループの企業理念は、「倫理、透明性、人権尊重、法令遵守、多様性」という5つのキーワードに基づいており、それは顧客、政府、従業員、協力会社、株主および投資家といった社会の皆様との良好な関係の上に培われています。そしてその理念は継続的な改善を奨励し、私たちの高い競争力と良好な企業業績を確かなものにします。
この企業理念は日々従業員によって共有・更新され、私たちの優れた商品やサービスを生み出す尊い職場環境を作り上げています。そしてまた、その理念は私たちが社会および環境への責務を担っていることをも意味しており、持続的な業績向上に対する我々の決意に継続性を与えるものです。
 イタウ・ウニバンコ・ホールディングは健全で持続的な金融機関としてその名を知られ、サンパウロ証券取引所において上場企業持続的成長力株価指数(ISE)に組み入れられており、またニューヨーク証券取引所においては、ダウ・ジョーンズ持続的成長力世界株価指数(DJSWI)に1999年の指数開始当初より継続採用されている中南米唯一の銀行です。これは、コーポレート・ガバナンス、環境、人権、ステークホルダーとの関係等の国際的な社会的責任基準を満たし、持続的発展の担い手として期待される金融機関の証ともいえます。

イタウ・ウニバンコ東京支店入り口ならびに店内

在日支店の歩み

ここでイタウ・ウニバンコ銀行東京支店の支店開設からの歩みについて触れさせていただきます。
2004年10月 東京丸の内に東京支店開設、現ゆうちょ銀行とATM提携
2006年11月 米国マネーグラム社と提携し個人向け海外送金サービス開始
2006年12月 バネスパ銀行東京支店より事業譲受(預金・海外送金業務)
2007年11月 神田に東京オペレーションセンター設置
2008年5月 豊橋出張所開設
2008年8月 日本初のブラジル・レアル建定期預金取扱い開始
2010年3月 商号をイタウ・ウニバンコ・エッセ・アー(イタウ・ウニバンコ銀行)に変更

 イタウ・ウニバンコ銀行東京支店はアジア初の拠点として2004年10月東京駐在事務所から東京支店に昇格し、お陰様をもちまして2010年には東京支店開設6周年を迎えることとなりました。現在の所在地である丸の内にて開設し、今日に至っております。

初年度より、競争力のある手数料で、在日ブラジル人のお客様を中心として、主にブラジルに郷里送金を始めとする金融サービスを提供するため、ゆうちょ銀行の全国2万6000台のATMを利用できる体制を構築しました。当店発行のキャッシュカードにて入出金のお取扱いが出来るほか、送金専用カードも発行し、迅速な海外送金を可能としています。インターネットバンキング、テレフォンバンキングによるサービスも提供しており、24時間お取引を頂けます(ただし一部ポルトガル語のみ)。

 また、ブラジル以外の国向けの送金をターゲットとして2006年11月より、米国マネーグラム社宛の個人向け送金サービスの取扱を開始しました。マネーグラム社は、世界約190の国に18万以上の取扱拠点があり、銀行口座をお持ちでない方へも安全にかつ迅速に送金を行うことができます。また、同年12月には、バネスパ銀行東京支店より預金、送金業務の一部を譲り受けました。

 従来のリモートチャンネルとは別に、顧客サービス向上と、自宅周辺に店舗があることでさらなる安心感を得たいというお客様の要望を受け、2008年に愛知県豊橋市に東京支店豊橋出張所を開設いたしました。

 今後は南米向け送金のお客様のみならず、アジアを含む他の国向け送金のお客様に向けたサービスを充実し、高金利通貨であるレアル建定期預金商品を日本の皆様にご紹介して参りたいと考えております。今後のイタウ・ウニバンコ銀行の商品にぜひご注目ください。