マリア・ド・インガの歌が、町の名前の由来とされる「歌の町」、マリンガは、パラナ州北西部の計画都市で、空気がきれいで安全で清潔な住みやすい都市として知られている。パラナ州第3の都市で、人口約40 万人のうち、日系人が約3万人住んでおり、人口当たりの日本食レストランの数が他の都市に比べてとても多く、日本食を始め、日本の文化が町に根付いている。マリンガ文化体育協会のYOSAKOI ソーラン部は、この7 月に行われた世界最大のダンス・フェスティバル「第36 回ジョインヴィレ・ダンス・フェスティバル」のポピュラー・ダンス部門において2度目の優勝を果たしている。
マリンガ市のシンボル、高さ124メートルの円錐形の大聖堂は、南米にある大聖堂のうちで最も高く、市の中心部に位置し、周辺は市民の憩いの場となっている。南米最大規模のマリンガ日本公園、そして、インガ公園の日本庭園、除夜の鐘で知られるマリンガ日伯寺など、日本との深いつながりを感じるマリンガ市は、兵庫県加古川市と姉妹都市提携を結び45 年となる。マリンガ市には加古川通りが、加古川市にはマリンガ通りと名付けられた道路があり、チタン製のカテドラルのレプリカがあるなど様々な交流が行われてきている。
グリーン・シティとも呼ばれ、緑が多く、市民4 人当たりに一本の木がある。都市が建設された際に、ジャカランダ(紫色の花)や、シビピルナ(黄色い花)、イッペー(ピンクと、黄色い花)、クアレズメイラ(紫色の花)、フランボイヤン(オレンジ色の花)などといった街路樹を通りごとに植えたため、それぞれの通りに、同じ色の花が一斉に咲く街並みが美しい。
2018年、ブラジル日本移民110周年を記念して、パラナ州では、マリンガ市で、7月19日から22日にかけて、「EXPO-IMIN 110」(移民110 年エクスポ)がエクスポ会場内で開催され、眞子内親王殿下が式典に臨席された。4日間で約8 万人が来場。ファッションショー、YOSAKOI ソーラン、e スポーツ大会、盆踊り、コスプレ・コンテスト、和太鼓集団鬼太鼓座によるワークショップ、ブラジル歌謡協会主催のブラジル選抜歌謡大会、日系企業約40 社などによる展示のほか、農林水産省による日本食ワークショップも開催された。

山口達朗(中央開発㈱)