2019年8月
執筆者:川上 直久 氏
日本ブラジル中央協会 理事
ブラジルでリオやサンパウロの地下鉄に乗ったことのある人なら、既にご存知と思いますが、ブラジルの地下鉄はどんなに遠くまで乗っても、たったひと駅でも料金は均一!(サンパウロの地下鉄運賃はR$4.30=約130 円)。
しかも乗車駅の改札口で切符を投入したら降りる駅の改札口ではそのままRoleta(回転腕木)を通り抜けることが出来ます。日本的な感覚からすると、極めて不合理に見えますが、これがブラジルでは最も合理的なのでしょう。
さて、今年4月末にサンパウロを訪問、ブリガデイロ駅からリベルダージに行くべくブリガデイロ駅の切符売り場で「Um unitário」言いながらR$5札を出したところ、 「シニョールは支払う必要ない」と言われ、びっくり!その訳を訊いたところ、60 歳以上は無料とのこと。小生、年齢を証明するもの何も持っていないが、と答えると「構わんから改札口に立っているおっさんに顔見せて通れ」とのこと。恐る恐る行くと無言で自分のカードを読み取り口に当て、roletaを開けて通してくれた。ブラジルは何と良い国か!
乗った車両で小生と同年代と思える女性が席をさっと譲ってくれたのにはまたびっくり!小生ってそんなに老けて見えるのかな??
ブラジルの地下鉄にはほとんどの駅にエスカレーターが設置されています。中にはリオのコパカバーナのCardeal Arcoverde駅のようにやたらと「長い歩く歩道」が設置されているところもあります(20+30+50m=100m位はありそう)が。
そしてエスカレーターには“Deixe a esquerda livre para circulaçâo”(通行人のため左側を空けてください)という表示がどこのエスカレ-ターにもあります。リオでもサンパウロでも同じです。つまりブラジルでエスカレーターに乗る場合、右側に乗り、左側を空けるということになります。これは日本の大阪等関西と同じですね。
東京は逆で、左側に乗り、右側を急ぐ人用に空けていますが、はてこの違いはどこから来るのか??色んな方の意見を拝聴しました;
- 関西方式が国際標準。大阪では大阪万博以来徹底された由。日本は西洋とアベコベが多い(例ののこぎり⇒日本は引く、西洋は押す)。
- 急ぐ人はとかく不注意になりがちで、追い越される方の人は肩や手荷物が触れられたりして、時には体勢が不安定になることから、手すりに軽く触れている右手を反射的にギュッと掴んで身を守ろうとする⇒世の中には右利きが左利きよりはるかに多く、多数派を守るために右側に立つ習慣が出来たようだ。
上記の②は説得力はありますが、日本では東京をはじめとする関東地域と大阪等関西地域とでは何故異なるのか、という理由は未だに不明のままです。
先日日本で法事に出た際、名古屋に住む甥っ子に訊いたら名古屋も東京と同じで左側に立つとのこと。益々判らなくなりました。
どなたか、明快に解説していただけませんか。