川満スティーブ証
(川満アート・テイメント(株)代表取締役)

「AIP」とは
今年20 周年を記念し、日本文化のアニソンとアイドルを融合した新たな「アニソンアイドルグループ」を生み出すオーディションを開催。それがアニソンアイドルプロジェクト「AIP」だ。応募総数213 名。書類審査の通過者がbless4
スタジオに集まった。
2 次審査は課題曲の歌唱審査。審査員であるbless4 を目の前に、緊張とプレッシャーで歌えない出場者。涙を堪えながら思いを語る者もいた。24 名が通過し、ダンスと歌唱を同時に披露する3 次審査は、より高い難易度が求められた。男子メンバーの審査では、緊張が連鎖し思うようなパフォーマンスが出来ない出場者が続出。
1 日かけて行われた2 次・3 次審査を通過し本選出場の切符を手にしたのは19 名。この日からbless4 による特別訓練を開始。AKASHI が体力基礎トレーニング、KANASA はダンス、そしてAKINO はボイトレを担当。レッスンでの立ち振る舞いも審査に大きく影響する。次から次に出される課題点。踊りながら歌う課題は特に難易度が高く、苦戦する。4 次審査では、定められた4グループが緊張で張り詰めた空気の中で課題曲の歌とダンスを順番に披露。多少のミスはあるものの、揃えられたダンスと感情溢れる歌声からは迫力を感じた。審査終了、ここで惜しくも7 名が敗退。全員に愛情をもって教えてきたからこそ、悩みに悩んだ結果だった。

最終選考から離日まで
 6 月某日。約2 ヶ月に渡って行われてきたAIP も最終局面。普段は個人で活動するメンバーも多く、プライド・焦り・不安・苛立ち、それらの感情によるすれ違いが生まれる一面もあったが、このチャンスを掴み取りたい。共に努力してきた仲間と共に頑張りたいという熱い気持ちがパフォーマンスや表情からひしひしと伝わる。
それぞれの良さ、パフォーマンス力の高さ、甲乙付け難い出来栄えで審査も意見が割れたという。今回初のオーディションではあったが、全身全霊で「Anime Friends」に向け努力し成長し、遂に8 名のメンバーが決定した。最後の練習日はプロジェクトにサポートを頂いている企業の方々を招待し、ブラジルで披露するパフォーマンスのお披露目。
翌日の出発日。飛行機側の問題で30 分押しての離陸 。経由で立ち寄ったニューヨークで遅延の為、トラブルが多発するもブラジルに到着。

サンパウロ会場にて
4 日間にわたり4 ステ ージに出演した。本オーディションにブラジルからエントリーしてくれたNivea が特別メンバーとして合流する予定だが、実際に練習できたのは本番30 分前だったという。初出演となるステージはAnimeFriends で1 番大きなメインステージ。
AIP 出演の直前、サプライズでbless4 が1 曲披露し、会場の盛り上がりは最骨頂。AIP の8 名がステージに立つと割れんばかりの歓声が上がった。
パフォーマンスに合わせて観客全員が大合唱。日本のアニソンがブラジルでとても愛されている事がよく分かる。途中、曲がかからないハプニングもあったが、観客が拍手や歓声をあげトラブルも楽しめるとても温かい会場だった。そしてNivea を交えてのパフォーマンス。流石のラップテクニックで会場を沸かした。本番30 分前に初合わせしたとは思えない一体感で無事初日が終了。
2 日目は中規模のウルトラステージ。初日とは違いAIP がステージに立つも観客数10 名。Anime Friends では全部で5 ステージあり、どれも同時進行でライブが開催される為、観客の心をどう掴むかが鍵となる。
観客数10 名というシビアなスタートだったが、アニソンやK-POP を歌うにつれて会場内には観客が集まり、最後には大盛り上がりで無事ステージを終えた。AIP のメンバーは毎晩ミーティングを行い、翌日に向けてブラッシュアップしていたのだが、AKASHI からとんでもない無茶振りが言い渡された。
「明日からのK-POP ステージに立つために今から曲を増やしましょう」と。一同耳を疑うもAKASHI は本気だ。早急に候補を挙げ、人気K-POP3 曲のサビメドレーをする事が決定。3・4 日目はK-POP ステージ。ブラジルはアニソン同様、K-POP も人気があるようだ。追加のメドレーも無事に披露し、K-POP ステージの2 日間も大いに盛り上がりブラジルでの全出演を無事に終えた。この期間、報道陣に向けた記者会見が2 回、お客さんの質問に答えるQ&A コーナーにも出演。
様々なハプニングはあったものの無事に出演を果たし帰国する事ができた。今回のAIP アニソンアイドルプロジェクトはこれで終了だが、二期・三期と続いていく事が決定している。今後のAIP の活動にもまた注目してほしい。