4月9日付、ブラジル「エスタード・デ・サンパウロ」紙は、Sete社へのドリルシップ発注数が13隻まで削減される可能性について報じているところ、概要以下のとおり。
1.Sete社は、銀行団により120億レアルのつなぎ融資の返済期限を90日間延長されたが、Sete社の出資者は、この間にSete社を存続させるための方策を検討し始めている。ドリルシップ発注数の削減とBNDES融資の代替策の2つが、出資者にとってのメインイシューである。
2.8日、ペトロブラスの年金基金であるペトロス社のハイムンド投資部長は、「ドリルシップの発注数は(28隻から)13隻ないし17隻に削減され、造船所との250億ドルの契約額はおよそ半分になるだろう。当初の計画は今や維持することはできない」と述べた。また、Sete社の出資者であるブラデスコ銀行は、ドリルシップ発注数の削減にはやや慎重であった。ブラデスコ銀行のクレメンテ副頭取は、「90日間にリストラを敢行し新たなSete社とする。ペトロブラスはプレサル開発のためにすべてのドリルシップを必要とする」と述べた。
3.しかし、83億レアルの資金をSete社に融通するためのいかなる解決策も、全ての出資者の承認を経る必要がある。例えば、ある出資者は、ドリルシップの一部は市場から調達し、ペトロブラスに引き渡せばよいと提案する。Sete社への追加出資についてもまた議論されている。ペトロスとブラデスコ銀行に加え、BTG銀行、サンタンデール銀行、Caixaの年金基金、Vale、ブラジル銀行がSete社の主要株主である。
4.Sete社のリストラを成功させる上での重要な点は、Sete社への長期融資を確保できるかどうかである。Sete社は、ペトロブラス汚職疑惑のため、融資を確保することが困難な状況にある。BNDESはSete社への31億ドルの融資の実行を停止しているが、この資金は、Sete社のプロジェクトの第一フェーズに充てるためのものであり、銀行団への支払いに回るものでもあった。出資者の間では、BNDESがこの融資を実行する可能性は低いと見られており、新たな解決策が検討されている。
5.ペトロス社のハイムンド部長は、BNDESに代わる国内銀行からの融資実行に大いに期待しているが、それに関していかなるコメントもできない、と述べた。また、Caixaの年金基金であるFuncefのマルセリニ投資部長は、「Sete社は、巧みに構築されたファイナンスプロジェクトである。我々は、資本をもって参入したが、上手く行くかどうかはBNDESの長期融資次第である。我々は、90日間でこの問題が解決することを期待している。そうでなければ、誰もブラジルのインフラに投資しようとはしないだろう」とBNDESによる長期融資が90日の間に実行されることへの期待を述べた。
6.Caixaのジェズス投資部長が述べたところによると、Sete社の債権者もまた、出資者とともに、この問題を解決するため長期融資の実行を検討している。CaixaのFI-FGTS基金はSete社の株主であり、20億レアルの債権者でもある。