10月28日、当地エスタード・デ・サンパウロ紙は、伯アルミ産業の苦境について報じたところ、概要以下の通り。

 

1.昨今の電力価格の高騰及び中国産アルミニウムの競争力向上は、伯内のアルミニウム産業を脅かしている。レゴ(Milton Rego)伯アルミニウム連盟(Abal)会長によれば、伯のアルミニウム産業は、過去30年で最悪の時期を迎えて存続の限界に達しており、2年以内に状況が改善しなければ、伯内のアルミニウム産業は存在しなくなる可能性がある、と述べた。

 

2.アルミニウムの生産チェーンにおいて最も危機に瀕しているのは、車両や建設に利用される一次アルミニウムの生産事業者である。2011年には伯内に7社存在していたが、これまでに大手がその事業を停止しており、直近では、今年3月、世界でも最大級の一次アルミニウム生産事業者の1つであるアルコア社が、サンルイス市(マラニョン州)の工場での生産を停止し、650人の工員の解雇を発表した。現在、一次アルミニウム生産を継続しているのは、バルカレナ市(パラ州)のノルスクヒドロ社資本のアルブラス社と、アルミニウム市(サンパウロ州)のボトランチングループのみである。

 

3.2008年、伯内の一次アルミの生産は166万トンのピークを迎えたが、それ以降は継続的な金属価格の下落の影響もあり、昨年には生産量は96.2万トンまで減少した。さらに今年にかけて状況は悪化しており、1985年と同水準の78万トンまで減少している。伯のアルミニウム産業は15万人の雇用、約400億レアル(約1兆2000億円)の生産額を生み出している。1月以降現在まで、1万5000人が解雇された。

 

4.また、エネルギー価格は、アルミニウム生産における負担を増しており、当該産業の不調の主要因である。2008年、電力料金は一次アルミ生産の負担の43%であったが、上昇の一途を辿り、現在では100レアルのアルミニウムにおける負担は最低でも60レアルである。レゴ会長は「この電力価格は、アルミニウム産業にとっては到底持続可能な水準ではなく、政府はこの状況を認識していると主張しているが、実のところは何も対策を講じていない」と述べる。

 

5.他方、伯内のアルミニウム消費は1年あたり5%の伸びを示し、今日では140万トンに達している。これらの需要の一部は、再生アルミニウムもあるものの、大部分は輸入アルミニウムで賄われている。Abalのデータによれば、昨年来、伯は一次アルミにおいては輸入が輸出を上回っている。輸入額は2014年には6億4300万ドルとなり、今年は10億ドルを越えて2014年の倍となる可能性もあると言われている。

長期的には、一次アルミニウムの需要は、2025年までに年間320万トンに達すると見込まれているが、伯内の一次アルミニウム生産は、その間に年間60万トンにまで減少する可能性もあると言われている。

 

6.現在、政府はこの状況を認識していない。鉱業エネルギー省が策定するエネルギー10年計画においては、実際にはアルミニウムの輸入は増えているにもかかわらず、「現在の水準において、伯は一次アルミニウムの一次原料であるアルミナの主要輸出者としての地位を固めるであろう。」とされている。