会報『ブラジル特報』 2011年3月号掲載 ブラジル日本商工会議所 創立70周年に当たって 田中 信(第15代会頭)
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日本ブラジル経済関係が「失われた20年」を脱し、活性化の軌道に乗ったのは、今世紀入り前後のトヨタ及びホンダが4輪車生産を開始した頃と軌を一にする。我が国の2大自動車メーカーのブラジル進出に呼応してそれぞれ数十社の部品、下請けなど関連メーカーがブラジルに進出、現在も数十社が進出を調査、検討中と伝えられている。 2004年9月、当時の小泉総理大臣は総理としては9年ぶりのブラジル訪問を行った。次いで翌05年5月、ルーラ大統領は、これも大統領として9年ぶりに日本を公式訪問した。これら相互の首脳による交換訪問は、両国間の相互信頼関係を一段と強化するのに役立ったことはいうまでもない。 2008年6月、経産相として24年ぶりの甘利大臣の来訪を利用して官ベースで日本ブラジル貿易投資促進合同委員会が設立された。これにより両国経済関係は、従来からの民間主導の日本ブラジル経済合同委員会に加えて、官民合同で推進する体制が整ったことになる。 最近の新興国の成長戦略はインフラ投資による社会資本の整備増強である。この市場で勝利を占めるにはパブリック、プライベイト、パートナーシップでの官民協調体制の重要性が強調される。 |